新開発のbiolimus溶出ステント、従来ステントと同等の有用性示す

提供元:
ケアネット

新開発のbiolimus溶出ステント、従来ステントと同等の有用性示すのイメージ

冠動脈ステント留置術が適用とされる慢性安定性冠動脈疾患や急性冠症候群では、新たに開発された生体分解性ポリマー製のbiolimus(高脂溶性の半合成シロリムス・アナログ)溶出ステントが、従来の耐久性ポリマー製のシロリムス溶出ステントと同等の安全性および有効性を示すことが、ヨーロッパで実施された無作為化試験で明らかとなった。生体分解性ポリマー製biolimus溶出ステントは初期研究で有望な結果が報告されていた。スイスBern大学病院循環器科のStephan Windecker氏が、Lancet誌2008年9月27日号(オンライン版2008年9月1日号)で報告した。

新開発ステントの従来ステントに対する非劣性を検証




LEADERS(Limus Eluted from A Durable versus ERodable Stent coating)試験は、生体分解性ポリマー製biolimus溶出ステントと耐久性ポリマー製シロリムス溶出ステントの安全性および有効性を比較する多施設共同無作為化非劣性試験。2006年11月~2007年5月にヨーロッパの10施設から18歳以上の慢性安定性冠動脈疾患および急性冠症候群の1,707例が登録され、biolimus溶出ステント群に857例が、シロリムス溶出ステント群に850例が無作為に割り付けられた。

主要評価項目は、術後9ヵ月以内の心臓死、心筋梗塞、臨床的に示された標的血管の血行再建術の複合エンドポイントとし、intention to treat解析を行った。血管造影によるフォローアップに割り付けられた427例では、ステント内の径狭窄率を9ヵ月時点での主要評価項目とした。

複合および個々のエンドポイントのいずれもが両ステント群で同等




9ヵ月の時点における複合エンドポイントの発生率について、biolimus溶出ステント群のシロリムス溶出ステント群に対する非劣性が確認された[9%(79例) vs. 11%(89例)、イベント発生率比:0.88(95%信頼区間:0.64~1.19)、非劣性p値=0.003、優位性p値=0.39]。

個々のエンドポイントの発生率はいずれも両ステント群で同等であった[心臓死:1.6%(14例) vs. 2.5%(21例)、優位性p値=0.22、心筋梗塞:5.7%(49例) vs. 4.6%(39例)、p=0.30、臨床的に示された標的血管の血行再建術:4.4%(38例) vs. 5.5%(47例)、p=0.29]。

biolimus溶出ステント群の79%(168例)、シロリムス溶出ステント群の78%(167例)で血管造影によるフォローアップデータが得られた。これらの患者におけるステント内の径狭窄率につき、biolimus溶出ステント群のシロリムス溶出ステント群に対する非劣性が確認された[20.9% vs. 23.3%、両群の差:-2.2%(95%信頼区間:-6.0~1.6)、非劣性p値=0.001、優位性p値=0.26]。

著者は、「慢性安定性冠動脈疾患や急性冠症候群に対するステント留置術では、生体分解性ポリマー製のbiolimus溶出ステントが、耐久性ポリマー製のシロリムス溶出ステントに代替しうる安全性および有効性を有する」と結論し、「熟練した術者が行えば、新開発のステントは日常診療においてルーチンに使用可能と考えられる」としている。

(菅野守:医学ライター)

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)

会員の方へ