50~64歳へのインフルエンザワクチン、4価遺伝子組換えvs.標準用量/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2023/12/22

 

 50~64歳の成人において、高用量の遺伝子組み換え4価インフルエンザワクチンは、鶏卵を用いた標準用量のワクチンに比べ、PCR検査で確認されたインフルエンザに対する防御効果が高いことが示された。米国・カイザーパーマネンテ・ワクチン研究センターのAmber Hsiao氏らが、163万例超を対象としたクラスター無作為化観察試験の結果を報告した。遺伝子組み換え4価インフルエンザワクチンには鶏卵を用いた標準用量のワクチンの3倍量のヘマグルチニン蛋白が含まれており、遺伝子組み換え製剤は製造過程の抗原ドリフトに影響を受けにくい。65歳未満の成人におけるインフルエンザ関連アウトカムについて、遺伝子組み換えワクチンを標準用量のワクチンと比較した相対的有効性に関するデータが求められていた。NEJM誌2023年12月14日号掲載の報告。

2018~19年、2019~20年のインフルエンザシーズンに試験

 研究グループは、カイザーパーマネンテ・北カリフォルニアの傘下である施設を通じ、2018~19年と2019~20年のインフルエンザシーズン中に、高用量の遺伝子組み換えインフルエンザワクチン(商品名:Flublok Quadrivalent)、または標準用量インフルエンザワクチン(2種類中1種類)を、50~64歳の成人(主要年齢群)および18~49歳の成人に接種した。各施設は施設の規模で同等になるよう遺伝子組み換えワクチンから開始、標準用量ワクチンから開始のいずれかに無作為化され、2つのワクチン投与は各施設で1週間ごとに入れ替えた。

 主要アウトカムは、PCR検査で確認されたインフルエンザ(AまたはB)だった。副次アウトカムは、インフルエンザA、インフルエンザB、インフルエンザ関連入院アウトカムとした。

 Cox回帰分析を用いて、各アウトカムについて標準用量ワクチンと比較した遺伝子組み換えワクチンのハザード比(HR)を推定した。相対的なワクチン有効率は、1-HRで算出した。

遺伝子組み換えワクチンの有意な防御効果を確認、ただし入院については同等

 試験対象集団に包含されたのは、18~64歳のワクチン接種者163万328例であった。そのうち遺伝子組み換えワクチン群は63万2,962例、標準用量群は99万7,366例だった。

 試験期間中にPCRで確認されたインフルエンザ症例は、遺伝子組み換えワクチン群1,386例、標準用量群2,435例だった。

 50~64歳の参加者でインフルエンザ陽性が認められたのは、遺伝子組み換えワクチン群559例(2.00例/1,000例)、標準用量群925例(2.34例/1,000例)(相対的ワクチン有効率:15.3%、95%信頼区間[CI]:5.9~23.8、p=0.002)。同年齢群において、インフルエンザAに対する相対的ワクチン有効率は15.7%(95%CI:6.0~24.5、p=0.002)だった。

 インフルエンザ関連入院に対する遺伝子組み換えワクチンの防御効果について、標準用量ワクチンと比べて有意差は認められなかった(相対的有効率15.9%、95%CI:-9.2~35.2、p=0.19)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 小金丸 博( こがねまる ひろし ) 氏

東京都健康長寿医療センター 感染症内科専門部長

J-CLEAR推薦コメンテーター