低リスク骨髄異形成症候群、imetelstatが有望/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2023/12/19

 

 赤血球造血刺激因子製剤(ESA)が無効または適応とならない、多量の輸血を受けた低リスク骨髄異形成症候群(LR-MDS)の治療において、テロメラーゼ阻害薬imetelstatはプラセボと比較して、赤血球輸血非依存(RBC-TI)の割合が有意に優れ、Grade3、4の有害事象の頻度が高いものの管理可能であることが、ドイツ・ライプチヒ大学病院のUwe Platzbecker氏らが実施した「IMerge試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年12月1日号で報告された。

国際的な無作為化プラセボ対照第III相試験

 IMerge試験は、17ヵ国118施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2019年9月~2021年10月に患者の登録が行われた(Janssen Research & DevelopmentとGeronの助成を受けた)。

 年齢18歳以上、ESA投与で再燃または不応、あるいはESAが非適応のLR-MDS(国際予後予測スコアリングシステム[IPSS]基準で病変のリスクが低[low]~中等度-1[intermediate-1])の患者を、imetelstat 7.5mg/kgまたはプラセボを4週ごとに2時間で静脈内投与する群に2対1の割合で無作為に割り付け、病勢進行、許容できない毒性、患者による同意の撤回のいずれかに至るまで投与を継続した。

 主要エンドポイントは8週間のRBC-TIとし、ITT集団における無作為化の日から次のがん治療(治療法がある場合)の開始まで、少なくとも8週間連続して赤血球輸血を受けなかった患者の割合と定義した。

RBC-TI期間、HI-Eも良好

 178例(年齢中央値72歳[四分位範囲[IQR]:66~77]、男性62%)を登録し、imetelstat群に118例、プラセボ群に60例を割り付けた。全体で、過去8週間に受けていた赤血球輸血の中央値は6.0単位以上であった。また、160例(90%)がESA、11例(6%)が赤血球成熟促進薬luspaterceptの投与を受けていた。追跡期間中央値は、imetelstat群が19.5ヵ月(IQR:12.0~23.4)、プラセボ群は17.5ヵ月(12.1~22.7)だった。

 RBC-TIが8週間以上持続した患者の割合は、プラセボ群が9例(15%、95%信頼区間[CI]:7.1~26.6)であったのに対し、imetelstat群は47例(40%、30.9~49.3)と有意に優れた(群間差:25%、95%CI:9.9~36.9、p=0.0008)。

 RBC-TIが24週間以上持続した患者の割合(28% vs.3%、群間差:25%、95%CI:12.6~34.2、p=0.0001)、主要エンドポイントを満たした患者におけるRBC-TIの期間中央値(51.6週間 vs.13.3週間、ハザード比[HR]:0.23、95%CI:0.09~0.57、p=0.0007)は、いずれもimetelstat群で優れ、改訂IWG 2018基準による血液学的改善-赤血球反応[HI-E]に基づく血液学的奏効率(42% vs.13%、群間差:29%、95%CI:14.2~40.8)も、imetelstat群で良好だった。

Grade3、4の好中球減少、血小板減少の頻度が高い

 主要エンドポイントを満たした患者における血中ヘモグロビン値の試験薬投与前から最も長いRBC-TI期間までの増分の中央値は、imetelstat群が3.55g/dL、プラセボ群は0.80g/dLであった。また、試験期間中における経時的な赤血球輸血量の減少の平均値はimetelstat群で大きかった(最小二乗平均差:-1.0単位、95%CI:-1.91~-0.03)。

 試験期間中のGrade3、4の有害事象は、imetelstat群で91%(107/118例)に発現し、プラセボ群の47%(28/59例)に比べ高率であった。プラセボ群と比較してimetelstat群で頻度の高かったGrade3、4の有害事象として、好中球減少(68% vs.3%)と血小板減少(62% vs.8%)を認めたが、これらは可逆的で管理可能であった。治療関連死の報告はなかった。

 著者は、「imetelstatは、LR-MDS患者の幅広い集団において治療選択肢となる可能性があり、この集団にはESAが奏効しなかった環状鉄芽球陰性の患者や、ESAが非適応の患者も含まれる」としている。

(医学ライター 菅野 守)