術直後ゲムシタビン膀胱内注入、膀胱がん再発リスク低減/JAMA

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ケアネット

術直後ゲムシタビン膀胱内注入、膀胱がん再発リスク低減/JAMAのイメージ

 低悪性度の筋層非浸潤性尿路上皮がん患者は、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)後の再発の頻度が高いという。米国・ロチェスター大学のEdward M. Messing氏らは、本症が疑われる患者では、術直後の単回ゲムシタビン膀胱内注入療法により、4年後の再発リスクが低減することを、多施設共同試験「SWOG S0337試験」で示した。ゲムシタビンを含むレジメンは、筋層浸潤性および高度に進行性の尿路上皮がんの全身療法に使用されており、予備的エビデンスではゲムシタビン膀胱内投与は安全であり、筋層非浸潤性尿路上皮がんでは他の薬剤と同等以上の有効性が示唆されている。JAMA誌2018年5月8日号掲載の報告。

膀胱鏡所見での疑い例を対象とする無作為化試験
 SWOG S0337試験は、低悪性度の筋層非浸潤性尿路上皮がん疑い例における、TURBT施行直後の単回ゲムシタビン膀胱内注入療法の有用性を評価する二重盲検無作為化試験である(米国国立がん研究所[NCI]の助成による)。

 対象は、TURBT施行前の18ヵ月以内に、膀胱鏡所見で高悪性度病変がないか、または低悪性度の筋層非浸潤性病変が2個以内の患者406例であった。患者登録は、2008年1月23日~2012年8月14日の期間に行われた。

 被験者は、TURBT施行直後に、1時間でゲムシタビン膀胱内注入(2g+生食100mL)を行う群(201例)または生食(100mL)を膀胱内に注入する群(205例)に無作為に割り付けられた。最終フォローアップ日は、2016年8月14日だった。

 主要アウトカムは再発までの期間であり、副次エンドポイントは筋層浸潤までの期間および全死因死亡とした。適格基準が、検証的組織所見ではなく膀胱鏡所見に基づくため、登録患者の10%は組織所見が予測とは異なると推定した。

4年再発リスクが34%低減
 ベースラインの全体の年齢中央値は66歳で、84.7%が男性であった。383例(ゲムシタビン群:190例、生食群:193例)が試験を完遂した。

 intention-to-treat解析では、4年以内にゲムシタビン群の201例中67例が再発し(推定4年再発率:35%)、生食群は205例中91例が再発した(同:47%)。ハザード比(HR)は0.66(95%信頼区間[CI]:0.48~0.90、p<0.001[再発までの期間の片側log-rank検定])であり、ゲムシタビン群が有意に優れた。

 TURBTと膀胱内注入療法を受けた低悪性度の筋層非浸潤性尿路上皮がん患者は215例であった。このうちゲムシタビン群の102例中34例が再発し(推定4年再発率:34%)、生食群は113例中59例が再発した(同:54%)。HRは0.53(95%CI:0.35~0.81、p=0.001[再発までの期間の片側log-rank検定])であり、ゲムシタビン群が有意に良好であった。
 15例が筋層浸潤病変へと進行し、このうちゲムシタビン群は5例、生食群は10例であり、有意な差は認めなかった(p=0.22、片側log-rank検定)。また、42例が死亡したが、ゲムシタビン群が17例、生食群は25例であり、両群に差はみられなかった(p=0.12、片側log-rank検定)。

 Grade4/5の有害事象は発現しなかった。Grade3はゲムシタビン群が4例(血尿3例、感染症1例)、生食群は6例(排尿機能障害3例、排尿痛/性交痛2例、血尿1例)に認められた。Grade1/2のうち頻度の高い有害事象は、排尿機能障害(ゲムシタビン群31例、生食群32例)、排尿痛/性交痛(26例、23例)、血尿(12例、14例)であった。

 著者は、「これらの知見は、この治療法の導入を支持するが、ゲムシタビンと他の薬剤の膀胱内注入を比較する試験を行う必要がある」としている。

(医学ライター 菅野 守)

原著論文はこちら

Messing EM, et al. JAMA. 2018;319:1880-1888.

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