DPP-4阻害薬で炎症性腸疾患リスク増大/BMJ

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ケアネット

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 2型糖尿病患者においてDPP-4阻害薬は、炎症性腸疾患(IBD)のリスク増大と関連することが、カナダ・Jewish General HospitalのDevin Abrahami氏らによる住民コホート研究の結果、明らかにされた。著者は「結果について再現性があるのかを確認する必要があるが、医師はこうした関連の可能性があるということを念頭に置くべきであろう」と指摘している。IBDのような自己免疫疾患における、DPP-4酵素が及ぼす影響は解明されていない。しかし、低濃度のDPP-4酵素がIBDの疾患活動度を高めることは知られている。これまで、DPP-4阻害薬とIBD発症との関連を検討した観察研究は行われていなかったという。BMJ誌2018年3月21日号掲載の報告。

英国14万1,170例の住民コホート研究
 研究グループは、2型糖尿病患者において、DPP-4阻害薬の使用がIBD発症と関連しているかを、住民コホート研究にて評価した。

 700ヵ所以上の一般診療所(GP)が関与している英国の医療関連データベース(UK Clinical Practice Research Datalink)を用いて、2007年1月1日~2016年12月31日の間に抗糖尿病薬の服用を開始し、2017年6月30日までフォローアップが行われていた、18歳以上の14万1,170例について検討した。

 主要評価項目は、DPP-4阻害薬使用と関連したIBD発症の補正後ハザード比で、使用について全体的な評価と、累積使用期間ごと、および使用開始からの期間別に、時間依存的Cox比例ハザードモデルを使用して推定評価した。DPP-4阻害薬の使用(単独または他の抗糖尿病薬と併用)は時変変数(time varying variable)としてモデル化し、他の抗糖尿病薬の使用と比較、また、6ヵ月の遅延曝露を用いてIBDの潜在性と診断遅延について明確にした。

他の抗糖尿病薬と比較して発症リスクは1.75倍、3~4年使用後がピークで2.90倍
 追跡期間55万2,413人年に、208例のIBDイベントが発生した(粗発生率:10万人年当たり37.7[95%信頼区間[CI]:32.7~43.1])。

 全体として、DPP-4阻害薬の使用とIBDのリスク増大との関連が認められた(10万人年当たりDPP-4阻害薬使用群53.4 vs.他の抗糖尿病薬使用群34.5、HR:1.75[95%CI:1.22~2.49])。HRは、使用期間が長いほど段階的に上昇し、3~4年使用後にピークに達し(HR:2.90、95%CI:1.31~6.41)、4年超になると低下が認められた(1.45、0.44~4.76)。

 同様のパターンは、DPP-4阻害薬使用開始からの期間で評価した場合にも観察された。また複数行った感度解析でも、一貫した所見が認められた。

(ケアネット)

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