トロポニン検査、陽性適中率を上げる方法は?/BMJ

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 高感度心筋トロポニン検査を、幅広く、事前の臨床評価もなく行った場合、トロポニン値の上昇を認める患者がよくみられ、その大部分は心筋梗塞よりも心筋障害を反映したものであることが明らかにされた。英国・エディンバラ大学のAnoop S. V. Shah氏らが、ヘルスケア設定が異なる患者集団を対象とした前向きコホート試験の結果で、BMJ誌2017年11月7日号で発表した。高感度心筋トロポニン検査は心筋梗塞の診断を改善するが、急性冠症候群を伴わない患者の心筋障害検出を増大する可能性が示唆されていた。

非選択集団(英国)、選択的集団(英米国)で、陽性適中率を検証
 研究グループは、高感度心筋トロポニン検査を受ける患者の選択方法が、心筋梗塞の診断に与える影響を調べた。英国と米国の2次および3次機能病院で高感度心筋トロポニンIの測定を受けた、3つの独立した連続患者集団(計8,500例)を前向きに評価した。具体的には、緊急部門を受診し検査を受けた非選択的患者集団(英国1,054例)と、主治医の要請で検査を受けた2つの選択的集団(英国5,815例、米国1,631例)であった。

 被験者を、それぞれの定義に基づき判定した最終診断で、Type1心筋梗塞(定義:急性冠症候群が疑われる心筋壊死と心電図上で心筋虚血の所見を認める)、Type2心筋梗塞(定義:頻拍性不整脈、低血圧症、貧血などによる心筋虚血と心筋壊死を認める)、心筋障害(定義:心筋虚血のあらゆる特性が認められないが心筋壊死が認められる)に分類し評価した。

 主要評価項目は、Type 1心筋梗塞の診断に関する心筋トロポニン値上昇(>99thパーセンタイル値)の陽性適中率であった。99thパーセンタイル値上限参照値は、男性34ng/L、女性16ng/Lであった。

選択的集団でも陽性適中率に差
 心筋トロポニン値上昇は、非選択的患者群では13.7%(144/1,054例)で認められた。Type1心筋梗塞の有病率は1.6%(17/1,054例)で、陽性適中率は11.8%(95%信頼区間[CI]:7.0~18.2)であった。

 一方、選択的患者群については、英国の患者群で心筋トロポニン値上昇が認められたのは24.1%(1,403/5,815例)。Type1心筋梗塞の有病率は14.5%(843/5,815例)で、陽性適中率は59.7%(95%CI:57.0~62.2)であった。米国の患者群では25.4%(415/1,631例)、Type1心筋梗塞の有病率は4.2%(68/1,631例)で、陽性適中率は16.4%(95%CI:13.0~20.3)であった。

 2つの選択的患者群で、陽性適中率が最も高かったのは胸痛、心電図上での虚血、虚血性心疾患歴のある患者であった。

 著者は、「今回観察された所見は、さまざまなヘルスケア設定がある中で心筋トロポニン検査について“患者の選択方法”が重要で、それが心筋梗塞の診断に関する陽性適中率に著しい影響を与えることを示すものであった」とまとめている。

(ケアネット)

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