マンモ受診、過剰診断率を伝えると受診者減/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/02

 

 乳がんスクリーニング(マンモグラフィ)の受診について、同検査で過剰診断の可能性があることをあらかじめ伝えておくと、伝えなかった女性と比較して、インフォームド・チョイスをする女性が有意に増えることが、オーストラリア・シドニー大学のJolyn Hersch氏らによる無作為化試験の結果、明らかにされた。また、知識を与えることにより、乳がんスクリーニングを受ける女性は減少する可能性があることも示された。マンモグラフィは、乳がんによる死亡を減らすが、過剰診断や過剰治療に結び付いている、取るに足らない疾患も検出する可能性があり、そのことを大半の女性が知識として有していない。Lancet誌オンライン版2015年2月17日号掲載の報告より。

過剰診断のエビデンス情報提供有無で、インフォームド・チョイスを評価
 研究グループは、意思決定において乳がんの過剰診断について情報を提供することで、50歳前後の人の乳がんスクリーニングのインフォームド・チョイスを手助けするになるのかについて調べた。オーストラリアのニューサウスウェールズで、48~50歳の女性を無作為に集めて地域ベースの無作為化対照並行群間比較試験を行った。

 被験者の募集は電話で行い、過去2年間にマンモグラフィを受けておらず、乳がん歴がないまたは家族歴が強くない人を適格とし、意思決定に関する介入群(エビデンスに基づく説明と過剰診断率、乳がん死亡率の低下、および偽陽性率を伝える)または対照群(乳がん死亡率の低下と偽陽性率の情報提供のみ)に無作為に割り付けた。

 主要アウトカムは、割り付けの約3週後に電話インタビューを行い評価したインフォームド・チョイス(知識量とスクリーニング受診意向で定義)とした。なお、被験者およびインタビュアーは割り付けについて知らされなかった。

インフォームド・チョイス、介入群24%、対照群15%
 2014年1月~2014年7月に、879例が介入群(440例)、対照群(439例)に割り付けられた。そのうち、介入群21例、対照群20例が追跡不能となり、さらに、介入群10例、対照群11例から態度に関する回答が得られず、主要アウトカムの分析は、介入群409例、対照群408例について行われた。

 結果、インフォームド・チョイスが認められたのは、介入群409例のうち99例(24%)、対照群408例のうち63例(15%)で、有意差が認められた(差:9%、95%信頼区間[CI]:3~14、p=0.0017)。

 対照群と比較して、介入群の女性のほうが、全体的知識量が有意に増大した(122/419例[29%] vs. 71/419例[17%]、差:12%、95%CI:6~18%、p<0.0001)。

 一方、スクリーニングに前向きな態度を示した女性は有意に少なく(282/409例[69%] vs. 340/408例[83%]、差:14%、95%CI:9~20%、p<0.0001)、スクリーニングを受ける意向を示した女性も有意に少なかった(308/419[74%] vs. 363/419例[87%]、差:13%、95%CI:8~19%、p<0.0001)。

 また、概念的知識の提供有無だけで検討した場合も、介入群409例のうち203例(50%)がインフォームド・チョイスをしていたのに対し、対照群は408例のうち79例(19%)だった(p<0.0001)。

 上記を踏まえて著者は、「情報を与えられるほど、スクリーニングを選択する女性は少なくなるようだ」とまとめている。

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コメンテーター : 山本 精一郎( やまもと せいいちろう ) 氏

国立がん研究センター がん予防・検診研究センター保健政策研究部 部長

J-CLEAR推薦コメンテーター