ピアレビュー論文、Wiki引用が増加/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2014/03/27

 

 健康科学系のピアレビュー論文でも、Wikipedia(ウィキペディア、以下Wiki)からの引用が増加していることが明らかにされた。定義に関する引用は31.6%、解説に関する引用は23.5%であったという。カナダ・オタワ大学のM Dylan Bould氏らが2011年に発表された1,008誌1,433論文を調べ報告した。Wikiからの引用については、同サイト発足時から議論の的となっており、近年その引用が増加傾向にあることが指摘されていた。先行研究では、Wikiの内容と妥当性に関する検討は行われていたが、健康科学系論文でWikiがどのように利用されているかについてエビデンスは示されていなかった。BMJ誌オンライン版2014年3月6日号掲載の報告より。

Wiki引用率、引用の仕方などを調査
 研究グループは、健康科学系雑誌のインデックスを調べ、Wiki引用率を評価し、Wiki引用論文を特定して、どのように引用されているかを調べた。Wiki引用を含む英語で発表された論文を、ScopusとWeb of Scienceのオンラインデータベースを使って検索。健康科学雑誌を特定するために、Ulrich'sデータベースを用いて精査し、Medline、PubMed、Embaseでジャーナルインデックスが付けられた雑誌からの引用を選択した。また、検討対象に含んだ全雑誌の、2011年のインパクトファクター(トムソンロイター雑誌引用レポート)も調べた。

 引用結果を、主題内容でコード化し、記述を統計的に算出した。

定義、解説で引用、インパクトファクターの高い雑誌でも
 結果、Medline、PubMed、Embaseでジャーナルインデックスが付けられた1,008誌1,433のフルテキスト論文より、Wiki引用2,049件が評価された。

 Wiki引用率は時間とともに増加しており、大半の引用は2010年12月以降であった。

 引用の半分以上は、定義(648件、31.6%)、解説(482件、23.5%)としてコード化された。

 引用は、特定の雑誌や、インパクトファクターが低い(またはない)雑誌を問わずみられ、多くのインパクトファクターの高い雑誌でもWikiの引用がみられた。

 結果を踏まえて著者は、「多くの刊行物が、普遍でエビデンスベースのソースを利用可能だが、不特定多数が編集可能である三次ソースからの情報を引用していることが判明した。雑誌編集者やレビュワーは、Wiki引用論文を刊行する際は注意すべきであることを提言する」とまとめている。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)