抗精神病薬非服用の統合失調症、認知療法で症状が軽減/Lancet

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/02/20

 

 抗精神病薬を服用していない統合失調症スペクトラム障害の患者に対し、標準治療に加えて認知療法を行うことで、短期~長期の症状軽減効果が認められることが示された。英国マンチェスター大学のAnthony P Morrison氏らが行った試験で明らかにした。薬物療法が統合失調症の第一選択療法であるものの、治療薬を服用しない選択をしたり、服用を中止してしまう患者が少なくないのが現状である。著者らは、抗精神病薬を服用しないことを選択した患者で認知療法が症状を軽減できるかについて明らかにするため、今回の検討を行った。Lancet誌オンライン版2014年2月6日号掲載の報告より。

認知療法を標準治療に併用し、陽性・陰性症状評価尺度を比較
 Morrison氏らは、2010年2月15日~2013年5月30日にかけて、16~65歳の抗精神病薬を服用していない統合失調症スペクトラム障害の患者74例について、単盲検無作為化比較試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方には認知療法と標準治療を(37例)、もう一方には標準治療のみを行い(37例)、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を比較した。PANSSは、ベースライン時、3、6、9、12、15、18ヵ月後に評価した。

 共分散分析で、試験を実施した施設、年齢、性別、ベースライン時の症状について補正を行った。

認知療法併用群でPANSSスコアが一貫して低値
 その結果、認知療法併用群は標準治療単独群に比べ、PANSSスコアが一貫して有意に低く、症状軽減に効果があることが示された(効果量の群間格差:-6.52、95%信頼区間:-10.79~-2.25、p=0.003)。

 試験期間中、重度有害事象が8例に認められたが、内訳は、認知療法併用群2例、標準治療単独群6例だった。認知療法併用群の2例の内訳は、1例はオーバードーズ、1例はその他リスクの発現だった。標準治療単独群は、2例が死亡(試験やメンタルヘルスとは無関係と考えられた)、3例はメンタルヘルスの問題による強制入院、残る1例はオーバードーズだった。

 研究グループは、認知療法は症状軽減効果が有意で、安全で忍容性がある代替療法のようだとまとめ、「抗精神病薬を服用しないことを選択した統合失調症の人々のために、エビデンスベースの治療は活用されなければならない。抗精神病薬を服用しない統合失調症スペクトラム障害に対する認知療法併用の効果について、さらなる大規模試験が必要だ」とまとめている。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)