本態性振戦に集束超音波視床破壊術が有望/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2013/08/29

 

 薬剤難治性の重度の本態性振戦に対し、MRIガイド下集束超音波治療を行うことで、12ヵ月後の振戦抑制効果が認められたことが示された。米国ヴァージニア大学のW. Jeffrey Elias氏らが、15例の患者について行ったパイロット試験の結果で、NEJM誌2013年8月15日号で発表した。同治療法は、近年の進歩により施行可能となったものである。

片側視床中間腹側核をターゲットにMRIガイド下集束超音波治療
 研究グループは、2011年2月~12月にかけて、薬剤難治性本態性振戦の重症患者15例を対象に、オープンラベル非対照試験を行った。片側視床中間腹側核をターゲットに、MRIガイド下の集束超音波治療を行い、その効果を測定した。

 具体的には、振戦臨床評価スケールにより振戦抑制効果を調べ、また安全性データも記録した。QOLについても「本態性振戦におけるQOL質問票」により調べ、治療に対する患者の認識を評価した。

12ヵ月後に症状抑制とQOLが改善
 被験者全員について、ターゲット部位の熱アブレーションが完了した。その結果、振戦臨床評価スケールの総スコア(0~160)は、ベースライン時の54.9から治療12ヵ月後には24.3へと有意に低下し、症状の改善が認められた(p=0.001)。同スケールの手に関するサブスコア(0~32)にも、同期間で20.4から5.2へ、障害サブスコア(0~32)も18.2から2.8へと、それぞれ有意に改善した(p=0.001)。

 またQOL質問票スコアも、ベースライン時の37%から11%に改善した(p=0.001)。

 一方、有害事象については、一過性の感覚異常、小脳異常、運動性異常、発語異常が認められ、また持続性の感覚異常が4例に認められた。

 研究グループはこの結果を受けて、同治療法の有効性と安全性の評価には、大規模な無作為化比較試験が必要だとしている。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)