BNPスクリーニング+共同ケア、左室機能障害を予防/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2013/07/15

 

 脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)によるスクリーニングプログラムに、プライマリ・ケア医と心血管専門医による共同ケアを組み合わせるアプローチが、高リスク集団における左室機能障害や心不全の予防に有用なことが、アイルランド・セントビンセント医療グループ/セントマイケル病院のMark Ledwidge氏らが行ったSTOP-HF試験で示された。リスク因子への介入を中心とする現在の心不全予防戦略は、期待されたほど効果的ではないとの指摘があるという。一方、初発心不全リスクが最も高い集団の同定には、リスク因子とBNP検査を組み合わせて対象をさらに限定するサーベイランス(targeted surveillance)がより効果的である可能性が示唆されている。JAMA誌2013年7月3日号掲載の報告。

高リスク集団における予防効果を無作為化試験で評価
 STOP-HF試験は、左室機能障害および心不全の予防における、BNPスクリーニングプログラム+プライマリ・ケア医と専門医の共同ケアの有効性評価を目的とする無作為化試験。40歳以上の心血管リスク因子を持つ集団を対象とし、通常治療群または介入群に無作為に割り付けた。

 全参加者が試験開始時にBNP検査を受け、その後は年1回のBNP測定が実施された。通常治療群では、BNP検査の結果を知らされていないプライマリ・ケア医がライフスタイル改善のアドバイスやリスク因子に対する介入を行った。

 介入群のうちBNP≧50pg/mLの集団にはプライマリ・ケア医と専門医による共同ケアが施行され、BNP<50pg/mLの集団には通常治療群と同じ治療が行われた。

 主要エンドポイントは、無症候性の左室機能不全または初発心不全の複合的な発生率とした。

全体およびBNP高値集団の双方で良好な予防効果
 2005年1月~2009年12月までに39のプライマリ・ケア施設から1,374人が登録され、通常治療群に677人(平均年齢65.4歳、男性44.3%、BNP≧50pg/mL 235人)、介入群には697人(64.1歳、46.3%、263人)が割り付けられた。フォローアップは2011年12月まで行われた。

 全体の主要エンドポイントの発生率は、通常治療群の8.7%(59人)に対し、介入群は5.3%(37人)と有意に良好であった(オッズ比[OR]:0.55、95%信頼区間[CI]:0.37~0.82、p=0.003)。

 無症候性左室機能障害のみの発生率も、通常治療群の6.6%(45人)に対し介入群は4.3%(30人)であり、有意な差が認められた(OR:0.57、95%CI:0.37~0.88、p=0.01)。心不全はそれぞれ2.1%(14人)、1.0%(7人)にみられ、介入群で少ない傾向を認めたが有意差はなかった(OR:0.48、95%CI:0.20~1.20、p=0.12)。

 主な心血管イベントによる緊急入院の割合は、通常治療群の40.4/1,000人年に対し、介入群は22.3/1,000人年であり、介入による有意な改善効果が認められた(発生率比[IRR]:0.60、95%CI:0.45~0.81、p=0.002)。

 BNP≧50pg/mLの集団の解析では、主要エンドポイント(18.7 vs 9.5%、OR:0.44、95%CI:0.26~0.73、p=0.002)、無症候性左室機能障害(13.6 vs 7.6%、OR:0.47、95%CI:0.27~0.83、p=0.01)、主な心血管イベントによる緊急入院(78/1,000人年 vs 40/1,000人年、IRR:0.54、95%CI:0.37~0.77、p=0.002)などが、介入群で有意に良好であった。

(菅野守:医学ライター)

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コメンテーター : 中村 元行( なかむら もとゆき ) 氏

岩手医科大学 内科学講座 心血管・腎・内分泌内科分野 教授

J-CLEAR評議員