心室ペーシングを最小化する新型両室ペースメーカーの有効性

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ケアネット

心室ペーシングを最小化する新型両室ペースメーカーの有効性のイメージ

従来の両室ペーシングは房室同期を維持するものの、本来不要な心室ペーシングの割合を高める。そのため心室の脱同期化を来たし、洞房結節不全患者の心房細動リスクを高めるとの指摘がなされていた。そこで心室ペーシングを最少化する新型の両室ペースメーカーが開発。その有効性を検証する臨床試験の結果が公表された。NEJM誌9月6日号より。

洞房結節不全患者1,065例を対象に


SAVE PACe(Search AV Extension and Managed Ventricular Pacing for Promoting Atrioventricular Conduction)研究グループによる本臨床試験は、洞房結節不全患者(QRS間隔が正常、かつ房室伝導が良好な)1,065例を対象に、従来の両室ペーシングを受ける群(従来群:535例)と、新型の両室ペースメーカー(房室伝導を促進し心室伝導を保ち心室の脱同期化を予防するよう設計)で最小のペーシングを受ける群(新型群:530例)にランダムに割り付け実施された。主要エンドポイントは持続性心房細動が現れるまでの期間。

持続性心房細動の出現リスクを中等度低下


平均追跡期間(±SD)は1.7±1.0年だった。

心室拍動のペーシング割合は、従来群(99.0%)より新型群(9.1%)の方が有意に低かった(P<0.001)。しかし心房拍動のペーシング割合は同程度だった(71.4%対70.4%、P = 0.96)。

持続性心房細動の発現は110例で認められた。内訳は、従来群68例(12.7%)、新型群42例(7.9%)で、従来群に比較した新型群のハザード比は 0.60(95%信頼区間0.41-0.88、P=0.009)。相対危険度は40%の減少を示し、リスクの絶対的減少は4.8%だった。死亡率は両群で同程度だった(新型群4.9%、従来群5.4%、P = 0.54)。

これら結果から研究グループは、新型ペースメーカーは心室の脱同期化を予防し、洞房結節不全患者における持続性心房細動の発現リスクを中等度低下させると結論付けている。

(朝田哲明:医療ライター)

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