連続流タイプの補助人工心臓の有用性について治験グループが報告

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難治性心不全患者に対する治療法として認められている左心補助人工心臓だが、拍動流タイプの装置は、サイズが大きい、耐久性に限界があるなどの問題から実用性に限界があった。一方、近年開発された連続流タイプの補助人工心臓(Thoratec社製Heartmate II LAVD)は、小型化され、耐久性、静音性などにも優れる。ミネソタ大学のLeslie W. Miller氏ら同製品治験グループが、Heartmate II LAVD利用者の多施設共同観察研究の結果を報告した。NEJM誌8月30日号掲載より。

133例の人工心臓移植後6ヵ月時点の血行動態を評価


本研究は、対照群を並列しない前向き多施設共同試験で、対象は心臓移植待機リストからHeartmate II LAVDの体内移植を受けた末期心不全患者133例を抽出した。

主要評価項目は、人工心臓移植後180日の時点における、心臓移植を受けた患者の比率、心機能改善が見られた患者の比率、心臓移植適格だが補助人工心臓の使用を続けている患者の比率。心機能およびQOLの評価も行われた。

3ヵ月時点では心機能およびQOLが有意に改善


180日時点で主要評価項目のいずれかに該当した患者は100例(75%)だった。残り33例は死亡(25例)、合併症で心臓移植不適格(5例)、他のLAVDに切り換え(3例)となった。

Heartmate II LAVDサポート期間の中央値は126日(範囲、1~600)。サポート期間中の生存率は、6ヵ月時点で75%、12ヵ月時点で68%だった。

また3ヵ月時点では、心機能の有意な改善(ニューヨーク心臓協会分類および6分間の歩行試験の結果による)、QOLの有意な改善(Minnesota Living with Heart Failure質問票およびKansas City Cardiomyopathy質問票による)が認められた。

重篤な有害事象は、術後出血、脳卒中、右心不全、経皮リード感染。ポンプ血栓症が2例で起きていた。

以上の結果を踏まえ治験グループは、心臓移植待機患者に対して少なくとも6ヵ月間は、Heartmate II LAVDによって効果的に血行動態を改善でき、心機能、QOLも改善することができると述べている。

(朝田哲明:医療ライター)

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