膝OA患者へのビタミンD3 vs.プラセボ、2年間投与の効果は?/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2013/01/30

 

 米国・タフツメディカルセンターのTimothy McAlindon氏らは、症候性変形性膝関節症(膝OA)患者に対して2年間にわたり、十分量のビタミンD3サプリメントとプラセボとを投与し比較検討した無作為化試験の結果、サプリメント群はプラセボ群と比較して、膝の痛みの程度や軟骨減少について、低下はみられなかったことを報告した。膝OAには効果的な内科的治療法はないが、一部の試験でビタミンDが、軟骨や関節周辺骨の障害の、進行を防ぐ可能性があることが示唆されていた。JAMA誌2013年1月9日号掲載より。

症候性膝OA患者146例を対象に無作為化プラセボ対照二重盲検試験
 2年間にわたった無作為化プラセボ対照二重盲検試験は、症候性膝OA患者146例を対象に行われた。被験者は、タフツメディカルセンターで2006年3月~2009年1月の間に試験登録され、プラセボを投与される群か、血清レベルが36ng/mL超となるようビタミンD3サプリメント(2,000 IU/d)の漸増投与を受ける群(投与群)に無作為に割り付けられた。

 主要アウトカムは、WOMAC疼痛スコア(0~20、0:疼痛なし、20:疼痛最大)で評価した膝の疼痛度、およびMRI測定による軟骨減少とした。副次エンドポイントには、身体的機能、膝機能(WOMAC機能スケール0~68で評価、0:障害なし、68:障害最大)、軟骨の厚さ、骨髄病変、X線でみた関節裂隙幅などが含まれた。

膝の痛み、軟骨減少への投与群の有意な効果はみられず
 被験者146例は、平均年齢62.4歳(SD 8.5)、61%(57例)が女性、79%(115例)が白人だった。ベースラインにおいて、膝の疼痛度は、投与群(平均6.9、95%CI:6.0~7.7)のほうが、プラセボ群(同:5.8、5.0~6.6)よりもわずかだが高かった(p=0.08)。また、膝機能は、投与群(同:22.7、19.8~25.6)のほうが、プラセボ群(同:18.5、15.8~21.2)よりも有意に低かった(p=0.04)。

 被験者のうち、試験を完了したのは85%だった。

 血清25ヒドロキシビタミンD値の上昇は有意差がみられ、投与群は平均16.1ng/mL[95%信頼区間(CI):13.7~18.6]に対し、プラセボ群は平均2.1 ng/mL(同:0.5~3.7)だった(p<0.001)。

 しかし、膝の疼痛度は両群ともに低下し、投与群は-2.31(95%CI:-3.24~-1.38)、プラセボ群は-1.46(同:-2.33~-0.60)だったが、追跡期間中いずれの時点でも両群間の有意差は認められなかった。

 軟骨量の割合は、両群ともに同程度減少し、投与群は平均-4.30(95%CI:-5.48~-3.12)、プラセボ群は平均-4.25(同:-6.12~-2.39)だった(p=0.96)。

 副次エンドポイントについてはいずれも両群間の有意差は認められなかった。

(武藤まき:医療ライター)