高山病予防薬としてのアセタゾラミド、250mg/日でも有効/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2012/11/16

 

 高山病の予防薬としてのアセタゾラミド(商品名:ダイアモックス)服用について、最低用量250mg/日で効果があるとのエビデンスが、メタ解析の結果、報告された。これまで、2000年に発表されたシステマティックレビューにおいて、高山病予防に対するアセタゾラミド服用では750mg/日が有効であることが示されていた。英国・サウサンプトン大学Emma V Low氏らは、250mg/日量、500mg/日量についての効果を検証し、最小有効量を明らかにするためメタ解析を行った。BMJ誌2012年11月3日号(オンライン版2012年10月18日号)掲載より。

50mg/日量、500mg/日量、750mg/日量とプラセボを比較した無作為化試験をメタ解析

 システマティックレビューとメタ解析は、MedlineとEmbaseをデータソースとし、あらゆる言語の論文を対象とした。

 適格とした試験は、無作為化試験で、アセタゾラミド250mg/日量、500mg/日量、750mg/日量とプラセボとを比較した、高山病予防についての成人への介入を行った試験とした。解析には、投与量が管理されており、登山前に無作為化が行われた試験を組み込んだ。レビューと解析は2人のレビュワーが個別に行った。

3つの投与量群の複合オッズ比0.36

 レビューには、1976~2011年に公表された11の試験(実施された介入は12)が含まれた。プラセボと比較した250mg量試験は4件(被験者数448例)、500mg量試験は6件(同907例)、750mg量試験は2件(同157例)であった。

 解析の結果、アセタゾラミドは、250mg、500mgと750mgの投与量すべてが、3,000m以上の登山での急性高山病に対する予防効果があることが認められた(複合オッズ比:0.36、95%信頼区間:0.28~0.46)。

 250mg/日量の試験結果を複合した推計オッズ比は0.41(95%信頼区間:0.26~0.64)であった。500mg/日量は同0.37(0.26~0.52)、750mg/日量は同0.20(0.10~0.41)であった。

 急性高山病予防に関するNNT(必要治療数)は、250mg/日は6(95%信頼区間:5~11)であった。500mg/日は7(6~9)、750mg/日は3(3~5)であった。

 なお各投与量試験間の不均一性は、500mg/日試験間のI2=0%から、250mg/日15%、750mg/日44%とばらつきがあった。