冠動脈CT血管造影、よりリアルな画像を提供する診断精度の評価は?/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2012/11/17

 

 診断検査法の評価において、診断精度研究やプールメタ解析は重大なステップである。しかし診断精度研究において、評価不能の結果を扱うべきかどうかや、共通のアプローチで診断精度が過剰なのかどうかを評価するかのかについてコンセンサスは得られていない。そうした中でドイツ・ベルリン自由大学のGeorg M Schuetz氏らは、冠動脈CT血管造影の診断パフォーマンスのメタ解析的評価を行い、3×2分割表による評価が従来の2×2分割表による評価よりも優れているかを検討した。その結果、評価不能の結果をどう扱うべきかコンセンサスをみいだすことはできなかったが、評価不能の結果を含める場合は、3×2分割表を適用するほうがよりリアルな画像を提供可能であったと報告している。BMJ誌2012年11月3日号(オンライン版2012年10月24日号)掲載より。

診断精度についてメタ解析で3×2分割表と2×2分割表の適用を評価
 研究グループは、Medline(PubMed)、Embase(Ovid)、ISI Web of Science electronic databasesによって、冠動脈CT血管造影の診断パフォーマンスに関するメタ解析的評価を行った。

 適格としたのは、英語またはドイツ語の前向き試験で、全患者について冠動脈CT法と従来血管造影法と比較し、患者レベルの解析に足りうるデータが提供されていることとした。

 解析は、28試験・被験者総計2,298例について、3×2分割表と2×2分割表の両方の評価が可能であった。

 二変数のランダム効果モデルによる解析の結果、2×2分割表と3×2分割表の評価では、感度[98.2(95%信頼区間:96.7~99.1)vs. 92.7(88.5~95.3)]、曲線下面積[0.99(0.98~1.00)vs. 0.93(0.91~0.95)]、陽性尤度比率[9.1(6.2~13.3)vs. 4.4(3.3~6.0)]、陰性尤度比率[0.02(0.01~0.04)vs. 0.09(0.06~0.15)]で有意差が認められた(p<0.05)。

 著者は、「評価不能の結果を含める場合、3×2分割表を適用すると各診断パフォーマンス値は有意に低下するが、このアプローチは診断検査においてよりリアルな画像を提供する」と結論している。