耳下腺炎ワクチンの接種は、男性の精巣炎リスクを有意に減少する/NEJM

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耳下腺炎ワクチンの接種は、男性の精巣炎リスクを有意に減少する/NEJMのイメージ

  12歳以上の男性で、耳下腺炎ワクチンの2回投与を受けた人は、受けなかった人に比べ、耳下腺炎を発症しても、合併症の精巣炎を発症するリスクを有意に減少することが報告された。米国疾病予防管理センター(CDC)のAlbert E. Barskey氏らが、2009~2010年にかけて、ニューヨーク地域などのユダヤ教徒コミュニティで流行した、3,500人超の耳下腺炎発症例について調べて明らかにしたもので、NEJM誌2012年11月1日号で報告した。米国では2005年までに、耳下腺炎ワクチン接種によって同罹患率は99%以上減少したものの、2006年には同ワクチン接種をした人の中で耳下腺炎が大流行した。その後、同様の集団発生が世界各地で報告されている。

13~17歳が全体の27%、うち男性は78%と高率
 研究グループは、2009年6月28日~2010年6月27日の間に、ニューヨーク地域(ニューヨーク市、ニューヨーク州北部の2郡、ニュージャージー州の1州)で報告された、耳下腺炎症例3,502人について調査を行った。

 臨床検体の得られた1,648人中50%が、検査によって耳下腺炎が確定された。被験者のうち97%が、ユダヤ教徒コミュニティに属していた。

 年齢・性別で比較すると、13~17歳が全体の27%で、そのうち男性が78%と、発症割合の偏りが認められた。

ワクチン2回接種群の精巣炎発症率は4%、非接種群は11%
 ワクチン接種が確認できた13~17歳の患者884人について精査したところ、89%が2回摂取で、8%が1回摂取だった。また、そのうち合併症が認められたのは140人で、最も多かったのは精巣炎であり、12歳以上の男性1,771人の7%にあたる120人に認められた。

 12歳以上の男性のうちワクチン接種を2回受けていた人の精巣炎発症率は4%と、受けていなかった人の11%に比べ低率だった(p=0.04)。また、18歳以上の同発症率は9%だったのに対し18歳未満では4%、入院率もそれぞれ2%と1%と、18歳以上で有意に高率だった(それぞれ、p<0.001、p=0.001)。

 伝播経路については、ユダヤ系男子校で集中していた。そこでは生徒たちが対面で激論を交わす時間を多く過ごしていた。

 著者は「集団発生の疫学的特徴は、耳下腺炎の強度の曝露が、とくに男子校で伝播促進されたこと、またこうした患者ではワクチン接種による防御能を圧倒したことが示唆された。2回接種率が高かったことが疾患の重症度と、曝露が強度ではない人への伝播を抑制した」とまとめている。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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