過去20年で成人の血清脂質の傾向は良好に

提供元:ケアネット

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公開日:2012/10/29

 

 米国CDC・Carroll MD氏らは1988~2010年における米国成人の血清脂質の動向を調べ、「良好な傾向が認められた」と結論する報告を発表した。血清総コレステロール(TC)と低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)は、アテローム性動脈硬化症とその臨床アウトカムに寄与する。米国では1988~1994年と1999~2002年の間に、成人においてTCおよびLDL-Cの平均値が低下していた。背景には、同期間中に脂質低下薬治療を受けた成人の増加があったが、中性脂肪の相乗平均値は増加したが、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)の平均値は不変であったという。JAMA誌2012年10月17日号掲載報告より。

1988~1994年、1999~2002年、2007~2010年のNHANES結果を分析
研究グループは、3期分の全米健康栄養検査調査(NHANES)を対象に、血清脂質の動向を調べた。各期調査の参加者は、1988~1994年1万6,573例、1999~2002年9,471例、2007~2010年1万1,766例であった。

主要評価項目は、TC、LDL-C、HDL-C、非HDL-Cの平均値と、中性脂肪濃度の相乗平均値、および脂質低下薬を服用していた人の割合とした。

中性脂肪、HDL-Cも良好に変化、脂質低下薬の普及率は3.4%から15.5%に
結果、TC平均値は、1988~1994年の206(95%CI:205~207)mg/dLから、2007~2010年は196(同195~198)mg/dLに低下した(線形傾向のp<0.001)。

LDL-C平均値は、129(同127~130)mg/dLから、116(同114-117)mg/dLに低下した(線形傾向のp<0.001)。

非HDL-C平均値は、1988~1994年の155(同153~157)mg/dLから2007~2010年は144(同143~145)mg/dLに低下した(線形傾向のp<0.001)。

HDL-C平均値は、1988~1994年の50.7(同50.0~51.0)mg/dLから2007~2010年は52.5(同51.8~53.2)mg/dLに増加した(線形傾向のp=0.001)。

血清中性脂肪の相乗平均値は、1988~1994年の118(同114~121)mg/dLから、1999~2002年は123(同119~127)mg/dLに増加したが、2007~2010年は110(同107~113)mg/dLに減少した(二次傾向のp<0.001)。

脂質低下薬使用の普及率は、1988~1994年の3.4%(同2.9~3.9)から、2007~2010年は15.5%(同14.7~16.3)に増加した(線形傾向のp<0.001)。

脂質低下薬を服用していない成人において、脂質の動向は、全成人における報告と同程度であった。

肥満成人においては1988~2010年の間に、TC、非HDL-C、LDL-Cの平均値と、中性脂肪の相乗平均値の低下がみられた。

(武藤まき:医療ライター)