肥満外科手術患者の術後20年間の医療サービス利用コスト

提供元:ケアネット

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公開日:2012/10/01

 

 肥満外科手術を受けた患者の20年間の医療サービス利用について、従来療法を受けた対照群と比較した結果、手術群のほうが入院医療を多く利用しており、最初の6年間は外来利用も多かったが、それ以降の外来利用は両群で有意差はなかった。また、7~20年目の薬剤コストは手術群のほうが有意に低かったことが報告された。スウェーデン・ヨーテボリ大学のMartin Neovius氏らによるSwedish Obese Subjects試験の結果で、肥満外科手術は体重減を維持し、糖尿病、心血管イベント、がんの発生率を低下し生存を改善することが示されていたが、長期にわたる医療サービス利用への影響については不明であった。JAMA誌2012年9月19日号の掲載報告。

入院、外来、薬剤コストを従来療法群と比較
Swedish Obese Subjects試験は、スウェーデンヘルスケアシステムで現在進行中の前向き非無作為化対照介入試験であり、1987~2001年に肥満外科手術を受けた2,010例と適合させた対照群2,037例を対象とした。被験者は、37~60歳、BMIが男性34以上、女性38以上を適格とした。

手術群は、13%が胃バイパス術を、19%は胃バンディング術を、68%が垂直遮断胃形成術を受けた。対照群は従来肥満療法を受けた。

主要評価項目は、年当たりの入院日数(追跡期間:1~20年、データ収集:1987~2009年、追跡期間中央値15年)と、非プライマリ・ケア外来受診回数(同:2~20年、2001~2009年、9年)、National Patient RegisterとPrescribed Drug Registerから入手した薬品コスト(同:7~20年、2005~2011年、6年)。レジストリデータは、99%以上の患者で完全に結合できた(4,047のうち4,044例)。平均差は、ベースラインでの年齢、性、喫煙、糖尿病ステータス、BMI、算入期間(入院治療解析のために)、試験開始前年の入院日について調整した。


追跡7~20年の平均年間薬剤コスト、手術群930ドル、対照群1,123ドル
追跡20年間の平均累積入院日数は、手術群54日に対し対照群は40日だった(平均差:15、95%信頼区間:2~27、p=0.03)。追跡2~6年の平均累積年間入院日数は、手術群1.7日に対し対照群は1.2日だった(同:0.5、0.2~0.7、p<0.001)。追跡7~20年の同値は両群とも1.8日だった(同:0.0、-0.3~0.3、p=0.95)。

追跡2~6年の年間平均外来受診日数は、手術群1.3日に対し対照群は1.1日だった(同:0.3、0.1~0.4、p=0.003)。しかし7年目からは両群間の差は認められなかった(1.8日vs. 1.9日、同:-0.2、-0.4~0.1、p=0.12)。

追跡7~20年の平均年間薬剤コストは、手術群930ドルに対し対照群1,123ドルだった(同:-228、-335~-121、p<0.001)。

(武藤まき:医療ライター)