CKD診断のためのGFR推定式、クレアチニン+シスタチンCが有用である可能性

提供元:ケアネット

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公開日:2012/07/18

 



慢性腎臓病(CKD)の診断指標である糸球体ろ過量(GFR)の推定について、血清クレアチニンまたはシスタチンCいずれか単独マーカーの値に基づく推定よりも、両者を組み合わせての推定が優れることが報告された。米国・タフツ医療センターのLesley A. Inker氏らCKD疫学共同研究グループの横断解析の結果で、「CKDの確認検査には複合推定式が有用かもしれない」と結論している。GFRの推定は血清クレアチニンに基づく推定式がルーチンに用いられているが、不正確でCKDの過剰診断につながる可能性が示唆されている。代替マーカーとして登場したのがシスタチンCで、Inker氏らはその有効性を検討するため、シスタチンC単独と、シスタチンCと血清クレアチニンとを組み合わせについて検証した。NEJM誌2012年7月5日号掲載報告より。

シスタチンCまたはクレアチニン単独とクレアチニン+シスタチンCの推定式を検証




Inker氏らは、13試験に参加した多様な被験者5,352例を開発データ群として、シスタチンC単独ベースの推定式と、シスタチンCとクレアチニンとの組み合わせによる推定式とを開発した。その推定式を、GFRが測定されていた別の5試験・1,119例の被験者(検証データ群)で検証した。シスタチンとクレアチニンの測定は、国際規定に準拠していた。

開発データ群の測定GFR平均値は68mL/分/1.73m2体表面積、検証データ群の同値は70mL/分/1.73m2体表面積だった。
複合推定式を用いることで分類が正確に改善




検証の結果、クレアチニン-シスタチンC推定式は、クレアチニンまたはシスタチンC単独での推定式よりも優れることが示された。3つの推定式間のバイアスは同程度であり、測定値と推定値との差の中央値は、複合推定式では3.9mL/分/1.73m2で、これに対してクレアチニン単独式では3.7mL/分/1.73m2(P=0.07)、シスタチンC単独式では3.4mL/分/1.73m2(P=0.05)だった。

複合推定式では、精度が改善し(差の四分位範囲:13.4対15.4、16.4mL/分/1.73m2)、結果が正確だった(推定値が測定値より>30%だった割合:8.5対12.8、14.1%)。

推定GFRが45~74mL/分/1.73m2だった被験者において、複合推定式を用いることで分類が改善され、60mL/分/1.73m2未満または同以上へ再分類された(ネット再分類指数:19.4%、P<0.001)。

また、推定GFRが45~59mL/分/1.73m2だった被験者の16.9%が、60mL/分/1.73m2以上に正確に再分類された。

(武藤まき:医療ライター)