肥大型心筋症、ハイリスク因子1つで植込型除細動器の検討に値する

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ケアネット

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近年、肥大型心筋症(HCM)での突然死予防を目的とする、植込型除細動器(ICD)の装着が推進されている。しかし、その効果とどのような患者に適切なのかという課題は未解決のままである。アメリカ・ミネアポリス心臓研究所財団HCMセンターのBarry J. Maron氏らは、その評価を見極めるべく多施設共同無作為化試験を行った。JAMA誌7月25日号で報告された。

ICD装着506例を追跡調査


対象は、1986年から2003年の間にICD多施設共同研究に参加登録した506例。アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアの42機関にわたる、HCMとは関係なく突然死のリスクが高いと判断されICDを装着した患者である。平均年齢は42歳(SD 17)と総じて若く、またほとんど(87%)がHCMの症状がないか、あってもごくわずかな症状の経験でICD装着に至っていた。

それら患者を追跡調査し、臨床リスク像と発生率との関連を調べ、HCMに対するICD介入の有効性を評価した。突然死の臨床像を正確に把握するため、リスク因子として、突然死の家族歴、広範囲に及ぶ左心室肥大(壁厚30mm以上)、ホルター心電図による非持続性心室頻拍、不明な失神の既往を含んで行われた。

平均追跡期間は3.7年(SD 2.8)。主要評価項目は、ICD介入が適切に心室頻拍あるいは心室細動の発作を収めたかどうか。

ICD介入の可能性は、リスクマーカーが1つでも複数でも有意差なし


主要評価項目は2割(103例)で認められた。ICD介入率は、心停止を経験した二次予防目的の装着患者で10.6%/年[5年累積率39%(SD 5)]、一次予防目的の装着患者では3.6%/年[5年累積率17%(SD 2)]。介入が装着後5年以上経ってから初めてあったのは27%(SD 7)、最高は10年だった。

一次予防目的患者で実際にICD介入を経験したのは51例で、そのうち18例(35%)は1つの危険因子だけで装着をしていた。一方でICD介入の可能性は、リスクマーカーが1つでも2つでも、3つ以上でも有意差はなかった(P=0 .77)。

なお、ICDの故障による突然死が1例、ICD合併症によるショックは136例(27%)となっている。

これら結果からMaron氏らは、「リスクの大きいHCM患者に対するICD介入は非常に効果的である。特に注目すべきは、ICD介入がリスク因子1つの一次予防装着患者でも起きていたことだ。したがって、HCM患者が予防目的でICD装着を選択する際には、1つのハイリスク指標があれば十分検討に値する」と結論付けた。

(武藤まき:医療ライター)

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