意思決定支援で、第2子を経膣分娩で出産する女性増加

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ケアネット

意思決定支援で、第2子を経膣分娩で出産する女性増加のイメージ

帝王切開は一般的な分娩法として施行機会が増加している。英国では、1980年の9%から2001年には21%に増え、最近では23%と報告されている。米国やオーストラリアも同様の傾向にある。しかし、帝王切開の頻度の上昇に従って、母子ともに分娩時の合併症が増加しているとの報告があり、医療コスト面での問題もあることから、第2子を経膣分娩で出産する「帝王切開分娩後の経膣分娩(VBAC)」の見直しが進められている。

 第1子を帝王切開で出産し、第2子を妊娠中の女性は、計画的経膣分娩と選択的反復帝王切開のいずれかの選択を迫られるが、このような意思決定に関して葛藤状態にある妊婦に対する最適な意思決定アプローチは明確でない。ブリストル大学地域医療学科のAlan A. Montgomery氏らは、第2子を妊娠中の女性において、コンピュータを用いた2つの意思決定支援法と従来のケアが、意思決定に関する葛藤と分娩法の選択に及ぼす効果を評価する無作為化試験を実施した。BMJ誌5月31日付オンライン版、6月23日付本誌掲載の報告から。

妊婦の意思決定に関する葛藤への支援と分娩法の選択を評価


対象は、子宮下部帝王切開にて第1子を出産し第2子を妊娠中の女性で、37週以降の出産が見込まれるものとした。2004年5月~2006年8月の間に、英国南西部およびスコットランドの4施設に742名の妊婦が登録された。

これらの妊婦を以下の3つの群に無作為に割り付けた。(1)通常ケア群:産科医および助産師による標準的なケアを受ける。(2)情報プログラム群:計画的経膣分娩、選択的帝王切開、緊急帝王切開に関して、予想される母子の臨床的アウトカムの説明を受ける。(3)意思決定分析群:予想される臨床的アウトカム情報とともに、妊婦自身が効用評価を行い、それ基づいて分娩法が推奨される。

(2)(3)の妊婦は簡単な説明ののちコンピュータを用いたインターベンションを受けた。意思決定に関する葛藤は、decisional conflict scale(DCS)で測定した。

葛藤や不安が軽減、経膣分娩による出産が増加


意思決定に関する葛藤は、通常ケア群に比べ情報プログラム群および意思決定分析群において有意に軽減されていた。経膣分娩による出産の割合は、通常ケア群に比し意思決定分析群で多かった。

意思決定支援法は、第1子を帝王切開で分娩した妊婦が第2子の分娩法を決める際の支援として有用であった。Montgomery氏は、「コンピュータによる意思決定支援法は、妊婦の意思決定に関する葛藤や不安を軽減し、分娩の知識を増加させる。この介入法により、経膣分娩で出産する女性が実質的に増加する可能性がある」としている。

なお、日本も同じ背景をかかえており、経膣分娩をふやす努力が払われているが、設備および人材のそろった施設を要するなどの課題をかかえている。折しも、産科医不足の状況が、この問題にも影響を及ぼしていることは想像にかたくない。

(菅野 守:医学ライター)

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