「第二世代抗精神病薬」長期投与の課題は… 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/08/07 一般的に、抗精神病薬による代謝系の副作用は、第一世代抗精神病薬と比較し、第二世代抗精神病薬でより顕著に認められる。Schreiner氏らは代表的な第二世代抗精神病薬であるパリペリドンとオランザピンが、統合失調症患者の代謝系へ及ぼす影響と臨床効果を長期的に比較検討した。J Clin Psychopharmacol誌2012年8月号の報告。 統合失調症患者を対象とした6ヵ月間のオープンラベル多施設共同ランダム化並行群間比較試験。パリペリドン群(パリペリドンER錠を6-9㎎/日投与)239例、オランザピン群(オランザピン経口剤を10-15㎎/日投与)220例。主要評価項目は、インスリン抵抗性の指標であるTG/HDL比のベースラインからの平均変化量とした。その他の評価指標は、PANSSスコア、脂質とグルコース代謝の測定、体重とした。 主な結果は以下のとおり。 ・両群ともに統合失調症症状の有意な改善が認められた(p<0.0001)。 ・主要評価項目のTG/HDL比のベースラインからの変化量は、パリペリドン群と比較しオランザピン群で有意に高かった。 ・エンドポイントでのTG/HDL比の平均変化量は、オランザピン群で0.097±2.72と悪化が認められたが(p<0.0001)、パリペリドン群では -0.17±2.51と有意な変化は認められなかった。 ・新たにTG異常またはメタボリックシンドロームと診断された患者は、オランザピン群でより一般的に認められた(p<0.05)。 ・インスリン抵抗性およびインスリンのグルコース感受性はオランザピン群で有意に悪化したが(各々 p=0.0003、p<0.03)、パリペリドン群ではいずれも悪化しなかった。 ・エンドポイントでの体重増加は、パリペリドン群(1.2kg)と比較しオランザピン群(3.8kg)で有意に高かった(p=0.0013)。 関連医療ニュース ・パリペリドンはリスペリドンより安全性プロファイルが良好 ・肥満や糖尿病だけじゃない、脂質異常症になりやすい統合失調症患者 ・太る!境界性人格障害「MetS有病率2倍」 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Schreiner A, et al. J Clin Psychopharmacol. 2012 Aug; 32(4): 449-457. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 多枝病変のSTEMI、FFRガイド下完全血行再建か責任病変のみPCIか/NEJM(2024/04/19) ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法、アレクチニブvs.化学療法/NEJM(2024/04/19) 慢性腎臓病の入院抑制を意図した電子記録+診療推進者介入の効果は証明されず(解説:浦信行氏)(2024/04/19) CPRはいつまで続けるべきか? In-Hospital CPA レジストリからの報告(解説:香坂俊氏)(2024/04/19) 進行肺がん、初診から治療までの待機期間が治療効果に影響/日本呼吸器学会(2024/04/19) 大腸がん患者の死亡リスクが高くなる超加工食品は?(2024/04/19) カルシウムとビタミンDの摂取は閉経後女性の全死亡リスクに影響せず(2024/04/19) 親を見れば自分の肥満リスクが分かる(2024/04/19) 特殊なMRIが治療抵抗性統合失調症の予測に有用か(2024/04/19) 日本における抗CGRP抗体の使用状況~日本頭痛学会会員オンライン調査(2024/04/19)