「近所にコンビニ」で動脈硬化リスク増

提供元:
HealthDay News

「近所にコンビニ」で動脈硬化リスク増のイメージ

 自宅の近くにコンビニエンスストアがあると生活には便利だが、動脈硬化の予防には良くないかもしれない。自宅周辺にコンビニが多くある人は、無症候性のアテローム性動脈硬化症になりやすい可能性があることが、米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部教授のKiarri Kershaw氏らの研究で明らかになった。詳細は「Journal of the American Heart Association」2月18日オンライン版に発表された。

 これまで複数の研究で、貧困地域では心血管リスクが高い可能性が示されている。今回の研究は、若年成人を対象に、冠動脈リスクを検証した大規模観察研究であるCARDIA(Coronary Artery Risk Development in Young Adults)研究の10年間のデータを用いたもの。研究に参加した2,706人の男女を対象に、動脈硬化の指標であるCT検査で評価した冠動脈石灰化(CAC)の変化と、自宅から約3km以内の全ての食料品店や飲食店にコンビニとファストフード店が占める割合の変化との関係について調べた。

 その結果、さまざまな因子で調整後も、近隣のコンビニの割合が10%上昇するごとに、アテローム性動脈硬化症を発症するリスクが34%高まることが明らかになった。

 なお、CAC検査については、米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)の新たな脂質ガイドラインの中で、心疾患リスクの程度が不明な40~75歳の男女に対し、スタチン療法の有益性を判定する指標として有用な可能性があるとして、その実施が勧められている。

 この結果を受け、Kershaw氏は「近所にコンビニが増えると、健康に良くない食品が手に入れやすくなる可能性がある」と話している。ただし、今回の研究では、ファストフード店とアテローム性動脈硬化症との間に有意な関連はみられなかった。この点について、同氏は「コンビニでは、たばこやアルコール飲料なども販売されており、ファストフード店よりも不健康な商品の品揃えが豊富であることが一因ではないか」とみている。

 一方、今回の研究には関与していない米テキサス大学サウスウェスタン医療センター内科学教授のScott Grundy氏は「習慣的にコンビニで食料品を買うのは控えた方が良い」とした上で、「もしコンビニで買い物をする場合には、スナック類が並んだ棚の前は通らずに、缶詰の果物や野菜を探したほうがよい」と助言している。また、「周囲の環境よりも、健康的な食品とはどのようなものなのかに関する知識の方が大切だ」と話している。

 なお、健康的な食品を入手しにくい環境が健康に及ぼす影響については、これまでの研究では一貫した結果は得られていない。2015年の調査では、ニューヨーク市のある地域に、政府の助成でスーパーマーケットを開店したにもかかわらず、各家庭の食品の入手状況や子どもの食事内容に有意な影響はなかったことが明らかになっている。また、2017年のニューヨーク大学などの調査では、食料品の購入パターンや食習慣には、地理的な要因よりも所得や教育、栄養に関する知識の方が強く影響することが示されている。

 こうしたことから、Kershaw氏は「より効果的な介入を行い、問題の根源を明らかにするためには、できるだけ多くのエビデンスが必要だ」と話している。

[2019年2月19日/American Heart Association] Copyright is owned or held by the American Heart Association, Inc., and all rights are reserved. If you have questions or comments about this story, please email editor@heart.org.
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