加糖飲料の摂取量が多いほど慢性腎臓病リスク増
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- HealthDay News
- 公開日:2019/01/17
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加糖飲料の摂取量が多いほど慢性腎臓病(CKD)の発症リスクが上昇する可能性があることが、米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のCasey Rebholz氏らの研究で明らかになった。詳細は「Clinical Journal of the American Society of Nephrology」2018年12月27日オンライン版に発表された。
この研究は、Jackson Heart Studyに参加した米ミシシッピ州在住の黒人男女3,003人(平均年齢54歳、女性64%)を対象としたもの。試験開始時(2000~2004年)に、食物摂取頻度調査票を用いて実施した調査から飲料の摂取量を評価し、2009~2013年まで前向きに追跡した。
中央値で8年間の追跡期間中に、185人(6%)がCKDを発症した。解析の結果、炭酸飲料や糖分を添加した果汁飲料、水の摂取量が最も多い群では、これらの摂取量が最も少ない群と比べて、CKDリスクが61%高かった。水の摂取量がCKDリスク上昇と関連した結果について、Rebholz氏らは「フレーバーや糖分を添加した水が含まれていた可能性がある」と指摘している。
しかし、今回の研究は、加糖飲料の摂取量とCKD発症との間に関連が示されたに過ぎない。Rebholz氏は「幅広い種類の飲料の選択肢が健康に及ぼす影響に関する包括的な情報が欠けている。特に、CKDリスクと関連する飲料の種類や摂取方法に関する情報については限られている」と述べている。
同誌の付随論評で、米オヨラ大学のHolly Kramer氏とDavid Shoham氏は「今回の結果は公衆衛生に影響を与えるものだ」と評している。米国の一部の都市では、加糖飲料への課税対策により、これらの飲料の消費量が減少したが、こうした取り組みに批判的な声も聞こえた。この点について、両氏は「こうした批判は、1960年代に米公衆衛生局長官が喫煙の危険性に関する最初の報告を発表した後に巻き起こった抵抗運動と比較できる。当時、喫煙は医学上や公衆衛生に関わる問題とは受け止められていなかった」と指摘している。
さらに、別の付随論評では、CKD患者であるDuane Sunwold氏が、腎不全を改善するために食事や飲酒の摂取習慣を是正したと述懐している。シェフである同氏は、加糖飲料の摂取量を減らしたいと思っている腎不全患者に対し、アドバイスを行っているという。
[2018年12月27日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら
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