マンモ検診の開始年齢、高リスク女性は「30歳」?

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HealthDay News

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 乳がんリスクが高い女性は、推奨されている年齢よりも若いうちからマンモグラフィ検診を受ける必要がある可能性が、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン・ヘルス放射線学のCindy Lee氏らの研究で示唆された。乳房の乳腺濃度が高いデンスブレストの女性や乳がんの家族歴がある女性は、30歳代のうちから定期的にマンモグラフィ検診を受けると、40歳代の平均的なリスクの女性と同じメリットが得られることが分かったという。この研究結果は、北米放射線学会(RSNA 2018、11月25~30日、米シカゴ)で発表された。

 Lee氏によれば、この研究結果は、米国放射線学会(ACR)が今年発表した乳がん検診に関する勧告を支持するものだという。また、この結果を踏まえ、同氏は「乳がんリスクが高い女性は、30歳までにプライマリケア医などでリスク評価を受けるべきだ。もし乳がんの家族歴がある場合には、マンモグラフィ検査で乳腺濃度を調べることを考えるべきかもしれない」と話している。

 近年、米国の乳がん検診ガイドラインでは、定期的なマンモグラフィ検診の開始年齢を遅らせる傾向にある。例えば、米国予防医療作業部会(USPSTF)は、50~74歳の女性はマンモグラフィ検診を隔年で受けるよう推奨している。一方、米国がん協会(ACS)は、45~54歳の女性は毎年、55歳以降になると隔年で検診を受けることを推奨している。

 しかし、40歳未満でマンモグラフィ検診を開始することの是非については、十分に検討されていなかった。そこで、Lee氏らは今回、2008年から2015年にかけて、米国31州150施設で260万人以上の女性に対して実施された570万件超のマンモグラフィ検診のデータを分析した。

 研究ではデンスブレスト、乳がんの既往歴、一親等以内(母親、姉妹、娘)の家族歴の3つのリスク因子のいずれかを有する30~39歳の女性に着目。こうした女性とこれらのリスク因子がない40~49歳の女性を対象にマンモグラフィ検診の結果を比較検討した。

 その結果、リスク因子を有する30歳代の女性と平均的なリスクの40歳代の女性で、乳がんの発見率と追加検査や生検のための再受診率に差はみられなかった。こうした結果を踏まえ、Lee氏は「これら3つのリスク因子が一つ以上ある女性は、40歳からではなく30歳からマンモグラフィ検診を開始するメリットは大きい可能性がある」と述べている。

 一方、ACS副会長のRobert Smith氏は「ACSのガイドラインでも、乳がんリスク上昇に関連する遺伝子変異を保有しているか、その可能性がある女性や、小児がんで放射線治療の経験がある女性などの高リスク女性に対しては、40歳以前から乳がん検診を受けることを推奨している」と説明している。また、USPSTFの勧告でも、50歳を迎える前から定期的なマンモグラフィ検診を開始するかどうかは個別に判断すべきとしており、開始年齢については柔軟性のある内容となっている。

 なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

[2018年11月28日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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