今シーズンのインフルエンザ流行入り遅く、米CDCが予防接種を呼び掛け

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HealthDay News

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 今シーズンはインフルエンザの流行期入りは遅い立ち上がりであることを、米疾病対策センター(CDC)のグループが「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)」10月26日号に報告した。昨シーズンは米国史上、最悪のインフルエンザシーズンとなったにもかかわらず、例年よりもワクチン接種率が低かったことから、CDCは本格的な流行期を前に、国民にインフルエンザワクチンの接種を強く呼び掛けている。

 昨シーズンはワクチン接種によってインフルエンザの感染や合併症を予防できたのは、成人10人中4人以下であったことがCDCの分析で明らかになっている。それでも、専門家らはワクチン接種の重要性を強調している。

 CDCインフルエンザ部門の専門家であるAlicia Fry氏は「インフルエンザ感染の報告数はわずかな今が予防接種に最も適した時期といえる。このタイミングで接種すれば、身体がワクチンに反応するのに必要な時間が十分に確保でき、インフルエンザシーズンに備えることができる」と話している。同氏によると、インフルエンザの予防接種に最適な時期は10月中だという。

 Fry氏は、特に幼児や65歳以上の高齢者、心疾患や肺疾患のある患者には予防接種が重要であることも強調している。なお、同氏によると、2018-2019シーズン用のインフルエンザワクチンは、これまでに約1億3200万回分が供給されており、シーズンを通じて約1億6800万回分が用意されているという。

 現時点で流行が確認されているインフルエンザウイルスは、H1N1とH3N2の2種類のA型の亜型と2種類(山形系統とビクトリア系統)のB型インフルエンザウイルスだ。ただ、これらのウイルスのうち、今後どのウイルスが主な流行ウイルスとなるのかは不明だとFry氏は説明する。

 米国では昨シーズン、H1N1インフルエンザウイルスが大流行した2009年以来、最悪のインフルエンザによる死亡者数や入院者数を記録した。CDCの推計では、インフルエンザの罹患者数は4900万人で、インフルエンザによる入院者数は約100万人、死亡者数は7万9,000人に上る。また、約1200万人の小児がインフルエンザに罹患し、このうち4万8,000人が入院、183人が死亡した。18~64歳の成人では3000万人が罹患し、1万300人が死亡した。さらに、インフルエンザによる入院患者の70%は65歳以上の高齢者で、こうした高齢入院患者の90%が死亡したと推定されている。

 なお、Fry氏は「今シーズンのワクチンは昨年のワクチンよりも流行株にマッチしているはずだ」としている。今シーズンのワクチンは、H1N1ウイルスとB型ウイルスに対して最大で60%の効果があるとされている。一方、H3ウイルスは身体の免疫システムを欺くために変化することから、H3N2に対するワクチンの効果はそれを下回るという。

 しかし、Fry氏は「今シーズンのワクチンを構成するH3N2ウイルスの成分は、流行株によりマッチするよう調整されている」と説明し、インフルエンザの感染や合併症などから身を守るための最善の手段はワクチン接種であることを改めて強調している。

[2018年10月25日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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