風のある寒い日は心筋梗塞に要注意?

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 秋の冷たい風や冬の低温で心筋梗塞を発症するリスクが高まる可能性があることが、ルンド大学(スウェーデン)心臓病学のDavid Erlinge氏らによる新たな研究で示された。低温や冷たい強風、日照時間の短さ、気圧の低さなどの条件により心筋梗塞の発症率が上昇することが明らかになったという。研究の詳細は「JAMA Cardiology」10月24日オンライン版に掲載された。

 今回の研究では、1998~2013年に心筋梗塞を発症した27万4,029人のスウェーデン人を対象に、発症日の天候を調べ、心筋梗塞リスクの上昇と関連する特定の気候条件について検討した。解析対象とした参加者の平均年齢は71.7歳だった。

 その結果、心筋梗塞リスクには気温が最も大きな影響をもたらしており、気温が摂氏0℃を下回ると心筋梗塞リスクが上昇することが分かった。一方、気温だけでなく日照時間の短さや冷たい風、気圧の低さも心筋梗塞リスクの上昇と関連していることも明らかになった。

 しかし、専門家の一人で米マウントサイナイ・アイカーン医科大学心臓病学のUsman Baber氏は「今回の研究では、最低気温が摂氏7.4℃上昇するごとに心筋梗塞リスクは2.8%低減することも示された。この数値をみる限り、気温の低下による心筋梗塞リスク全体への影響はさほど大きくないのではないか」と述べている。

 Erlinge氏は「寒さや冷たい風にさらされると、身体は体温とエネルギーを保つために皮膚の血管を収縮させる。すると、心臓が血液を押し出す際の抵抗力が高まり、心臓に負荷がかかって心筋梗塞の引き金となると考えられる」と説明している。しかし、この研究はその因果関係を証明するものではなく、Baber氏は「これらの関連はより複雑で、生理的な要因は重要な因子であるが、天候によって変化する人間の行動も重要だと考えられる」と指摘する。同氏は、天候によって人間が取る行動は変わるが、それによってストレスが増大し、心筋梗塞につながるのではとの見方を示している。

 これらの要因以外にも、運動量の減少や食生活の変化、抑うつ状態などの行動因子が季節性の心筋梗塞リスクに影響する可能性が考えられると、Erlinge氏らは付け加えている。寒冷時には呼吸器感染症やインフルエンザなどにも罹りやすく、そうしたことも心筋梗塞のリスク因子となることが知られている。例えば、呼吸器感染症があると心筋梗塞リスクは6倍になることが示されているという。

 これらを踏まえ、Erlinge氏は「心臓に不安がある人は、風が冷たい日には一枚多く着たり、気温が急激に下がったら十分に厚着をするなど工夫をするとよい」と勧めている。また、心筋梗塞リスクが高い人は寒い日には外出を避ける方がよいと、同氏は助言している。

[2018年10月24日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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