十分な水分摂取が女性の尿路感染症予防に有用か

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 尿路感染症の再発を繰り返す女性は、水分摂取量を普段より増やすと再発リスクが大幅に低下する可能性があることが、米マイアミ大学のThomas Hooton氏らによる新たな研究で示された。詳細は「JAMA Internal Medicine」10月1日オンライン版に掲載された。

 この研究は、過去1年以内に尿路感染症が3回以上再発した閉経前女性140人を対象としたもの。研究開始時における参加者の1日の水分摂取量は1.5L(約240mLのコップで6杯分)未満であった。参加者の半数を普段通りの水分摂取に加えてさらに1.5L摂取する群に、残りの半数を普段の水分摂取量を維持する群にランダムに割り付けて1年間追跡した。

 その結果、追跡期間中の尿路感染症の平均再発回数は、普段通りの水分摂取量を維持した群では3.2回であったのに対し、水分摂取量を増やした群では1.7回であり、水分摂取量を増やすと再発リスクは有意に低下することが分かった。さらに、水分摂取量を増やした群では、抗菌薬の服用回数も有意に減少することが明らかになった。Hooton氏らによると、尿路感染症の主な治療は抗菌薬投与であるが、抗菌薬の過剰投与を控えることは薬剤耐性菌を増やさないためにも重要だという。

 これらの結果を受け、Hooton氏は「これまでも水分摂取量を増やすと尿路内の細菌が洗い流されて、尿路感染症の再発リスクは低下すると考えられていたが、それを裏付ける研究データはなかった。今回のような試験の実施は遅すぎたくらいだ」と話している。ただ、同氏は「今回の研究では、尿路感染症の再発リスクを低減するのに最適な水分摂取量は明らかになっておらず、尿路感染症の再発リスクが比較的低い女性における有効性についても分かっていない」と強調している。

 女性の健康に詳しい米ノースウェル・ヘルスのJill Rabin氏は「水分の摂取量を増やすこと自体にリスクはなく、水道水なら費用もかからない。尿量が増えて排尿の頻度が高まれば、膀胱に尿を貯めないように意識するため、尿路感染症リスクの低減につながると思われる」と説明する。一方、同じく専門家で米レノックス・ヒル病院のElizabeth Kavaler氏は、尿路感染症のリスクを低減するのに必要な水分摂取量は、その女性の生活環境や運動レベル、食事内容などにより異なるのではとの見方を示している。

 なお、今回の研究は、ミネラルウォーターのエビアンの製造元であるDanone社の支援を受けて実施された。

[2018年10月1日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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