男性の片頭痛にも女性ホルモンが関与か

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 女性の片頭痛の多くは女性ホルモンの変動が関係していることが知られているが、男性の片頭痛にもこのホルモンが関与している可能性があることが、新たな研究で示された。約40人の男性を対象とした研究で、片頭痛のある男性は、片頭痛のない男性に比べて女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が多いことが分かった。詳細は「Neurology」6月27日オンライン版に掲載された。

 米国片頭痛研究財団(MRF)によると、米国では3900万人が片頭痛を抱えており、患者数は世界で10億人にも上ると推計されている。また、片頭痛患者の約4分の3は女性が占め、その発作の半数は月経が引き金となって起こるが、これらの関連はエストロゲンなどの女性ホルモンの変動で説明がつくと考えられている。

 今回の研究を率いたライデン大学医療センター(オランダ)のRon van Oosterhout氏によると、エストロゲンは片頭痛の前兆とされる“皮質拡延性脱分極(cortical spreading depolarization)”に対する脳の感受性を高めることが明らかになっている。皮質拡延性脱分極とは、大脳皮質の興奮の高まりが波のように広がっていく現象を指し、この後には大脳皮質の電気活動が抑制される状態が続き、片頭痛が引き起こされるという。

 これまで男性の片頭痛へのホルモンの関与はあまり注目されていなかった。今回の研究では、月に平均3回の片頭痛発作がある男性の片頭痛患者17人と片頭痛の既往がない男性22人を対象に、男性ホルモン(遊離テストステロン)に加えて女性ホルモン(17β-エストラジオール)の血中濃度を測定して比較検討した。

 その結果、片頭痛の既往がない人に比べて、片頭痛患者では発作時の血中17β-エストラジオール濃度が高いことが分かった。一方で、遊離テストステロンの値には両群間で差はみられず、片頭痛患者ではテストステロン/エストロゲン比が低いことも明らかになった。

 また、男性のエストロゲン分泌量は太り過ぎや加齢といった特定の因子で増えることがあるが、今回の研究では両群間で年齢やBMIを一致させたほか、ホルモンに影響する薬剤を使用している人もみられなかった。さらに、一部の男性では、片頭痛発作が起こる前にテストステロンの血中濃度が上昇することも確認された。van Oosterhout氏は「こうした男性では、あくびが頻発したり、疲労感や食欲の増進といった片頭痛の前兆がみられ、こうしたストレスによってテストステロン値が上昇した可能性がある」と説明している。

 van Oosterhout氏は、男性の片頭痛におけるホルモンの役割については、さらに研究を重ねる必要があることや、男性の片頭痛にテストステロンの補充を治療として用いることは時期尚早であることを強調している。専門家らは、片頭痛の治療法は今のところないが、予防薬を服用するほかにも、水分不足や不規則な食事、寝過ぎや寝不足、飲酒など片頭痛の誘因となる行動をなるべく避けるようアドバイスしている。

[2018年6月27日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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