一度の採血で2型糖尿病は確定診断できる

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HealthDay News

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 2型糖尿病の診断は通常、空腹時血糖値とHbA1c値を組み合わせて行われ、2回以上の採血を要する場合が多い。しかし、「Annals of Internal Medicine」6月19日オンライン版に掲載された新たな研究で、血糖値とHbA1c値を同時測定すると未診断で見過ごされている2型糖尿病を発見できる可能性のあることが示された。論文の筆頭著者で米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のElizabeth Selvin氏は「従来の方法でも2型糖尿病の診断が見逃されるケースは多かった。一度の採血で2型糖尿病と確定診断できれば、患者の手間も医療費も節約できるだろう」と期待を示している。

 この研究は、1980年代に開始されたアテローム性動脈硬化症に関する前向きコホート研究であるARIC(Atherosclerosis Risk in Communities)研究のデータを解析したもの。Selvin氏は今回、ARIC研究に参加した1万3,346人のうち、ベースライン時(1990~1992年)に2型糖尿病と診断されていない1万2,268人を対象に25年間追跡し、血糖値とHbA1c値の同時測定が未診断の2型糖尿病の検出に有用かどうかを検討した。なお、同時測定で空腹時血糖値が126mg/dL以上かつHbA1c値が6.5%以上だった場合を2型糖尿病と判定した。

 その結果、ベースライン時に空腹時血糖値またはHbA1c値のいずれかに異常が認められた978人のうち、39%は同時測定でどちらも2型糖尿病の判定基準を満たし、未診断の2型糖尿病であることが確認された。残る61%はどちらか一方だけが判定基準を満たしていた。解析の結果、追跡期間の最初5年間の2型糖尿病を検出する感度は54.9%だったが、特異度は98.1%と高く、15年後には特異度は99.6%にまで上昇した。

 これまでにも糖尿病が疑われる場合には、初回検査で血糖値とHbA1c値の同時測定が行われている。Selvin氏は「米国の現行のガイドラインではこうした検査法が分かりやすく表記されていない」と指摘。「2019年に予定されている改訂時にはこの点が改善され、多くの症例で2型糖尿病の診断が迅速に行われるようになることが望まれる」と話している。

 米ノースウェル・ヘルス・サウスサイド病院のRobert Courgi氏は専門家の立場から、「今回の結果は糖尿病の早期診断につながり、転帰の改善や心筋梗塞、透析導入、下肢切断といった合併症の予防に役立つだろう」とコメントしている。

 米レノックス・ヒル病院でフリードマン糖尿病プログラムを担当するGerald Bernstein氏もこの意見に同意し、「米国成人の約半数は糖尿病または糖尿病の前段階にあると推計されている。この数字を考慮すれば、空腹時や食後の血糖値、随時血糖値、HbA1c値のいずれかに異常があれば教育プログラムや生活習慣の是正などの予防的介入を始める十分な理由になるだろう」と話している。

[2018年6月19日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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