「検査前にブルーの染色剤」で大腸がん発見率が向上?

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HealthDay News

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 大腸内視鏡検査の前処置として患者に青色の染色剤を含む錠剤を飲んでもらうことで、がんの可能性がある病変の発見率が向上したとする第III相多施設共同ランダム化比較試験の成績が明らかになった。この染色剤は「Methylene Blue MMX」と呼ばれるメチレンブルーの経口徐放剤である。詳細は米国消化器病週間(DDW 2018、6月2~5日、米ワシントンDC)で発表される。

 この試験は、ヒューマニタス大学(イタリア)消化器病学教授のAlessandro Repici氏らが実施したもので、世界各国の20施設において、大腸内視鏡検査を予定している1,250人を対象として、検査前にメチレンブルー染色剤を最大用量(200mg)投与する群とその半量を投与する群、プラセボを投与する群のいずれかにランダムに割り付けた。

 その結果、腺腫やポリープ、がんが見つかった患者の割合は、プラセボ群の47.8%に対してメチレンブルー200mg群では56.3%だった。また、メチレンブルー200mg群ではプラセボ群と比べて平坦な直径5mm未満の微小病変がより多く見つかった。さらに、メチレンブルー投与群ではいずれも青色の便や尿の変色がみられた患者がいたが、それ以外の軽度の有害事象の発生率は6%未満だった。

 Repici氏らによると、大腸がんの予防には定期的な検診が有効であり、早期に発見すれば治療は可能だが、ポリープの形状によっては発見が難しく、特に平坦あるいは微小(5mm未満)のポリープは発見しにくいという。同氏は試験の結果を踏まえ、「(メチレンブルー染色剤を使用することで)見つけにくいポリープを発見し、切除しやすくなる。したがって、より多くの大腸がんを予防できる可能性がある」と話している。

 今回の試験には関与していない専門家の一人で、米レノックス・ヒル病院の内視鏡部門を指揮するDavid Robbins氏も、「正常な大腸の粘膜との境界が曖昧な前がん病変の場合、大腸内視鏡検査による発見には限界がある」と説明する。以前から大腸内視鏡検査時にカテーテルを使用して青い染色剤をスプレーし、病変を青く染色する方法が試みられてきたが、経口投与できる染色剤の報告は今回が初めてであり、同氏は「革新的だ」としている。

 米ノースウェル・ヘルス・サウスサイド病院の消化器専門医であるAaron Harrison氏は「大腸内視鏡検査によるポリープの発見率が向上するなら、どのような技術も素晴らしい」とした上で、最近、1cm未満のポリープは大腸がんリスクの上昇には関連しない可能性があることを示した研究結果が報告されていると指摘。メチレンブルーの染色剤を使用すれば、さらに微小な病変も発見できるが、「本当にそのことに価値があるのかについて明らかにしていく必要がある」と指摘している。

 さらに、Harrison氏は「今後の研究で今回の試験結果の再現性が認められ、どの程度の割合で進行した腺腫を発見できるのかが明らかになれば、大腸内視鏡検査を実施している全ての消化器専門医が日常診療にメチレンブルー染色剤の投与を導入すべきか否かを判断できるのではないか」との見解を示している。

 なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学雑誌に掲載されるまでは予備的なものと見なされる。

[2018年5月22日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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