がん治療薬、「軽い朝食とともに服用」で減量可能か

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HealthDay News

がん治療薬、「軽い朝食とともに服用」で減量可能かのイメージ

 米国では、前立腺がんの治療でアビラテロン酢酸エステル(商品名ザイティガ)を使用すると、1カ月当たりの治療費は約1万ドル(約106万円)に上る。しかし、軽い朝食とともにザイティガを服用すれば、使用量を減らし、治療費を節減できる可能性があることが、米シカゴ大学のグループが実施したランダム化比較試験(RCT)で示された。RCTでは、標準用量の4分の1の量のザイティガを低脂肪の朝食とともに服用した患者でも、標準的な用法および用量で同薬を使用した患者と同程度の効果が認められたという。詳細は「Journal of Clinical Oncology」3月28日オンライン版に掲載された。

 ザイティガは、男性ホルモンの分泌を抑えるホルモン療法などを実施しても効果がみられない去勢抵抗性前立腺がん患者に対する標準的な治療で使用されている薬剤で、通常、患者は起床後に250mg錠を4錠(計1,000mg)服用し、服用から1時間を空けて朝食を取るよう指示される。

 しかし、去勢抵抗性前立腺がん患者72人を対象としたこのRCTでは、ザイティガの使用量を標準的な用量の4分の1(250mg)に減らしても、シリアルやスキムミルクなどの低脂肪の朝食とともに使用すれば、標準的な用法および用量で使用した場合と遜色ない効果が得られる可能性があることが示された。具体的には、治療開始から約9カ月後の無増悪生存期間(PFS)や前立腺特異的抗原(PSA)が50%以上低下した患者の割合は、標準用量群と250mgを朝食とともに使用する群で有意差はなかったという。

 このRCTを実施した米シカゴ大学医学部のRussell Szmulewitz氏らによると、米国では前立腺がん治療でザイティガを使用すると、同薬にかかる費用だけで1カ月当たり8,000~1万1,000ドル(約85万~117万円)が必要になり、年間10万ドル(約1060万円)を超えることも珍しくないという。しかし、今回のRCTでは、同薬を低脂肪の朝食とともに服用することで薬剤費を通常よりも75%節減できることが示された。

 この結果を踏まえ、Szmulewitz氏は「(朝食前の)空腹時にザイティガを使用するのは効率的ではない」と指摘。また、「(ザイティガを朝食とともに服用することで)服薬スケジュールが分かりやすくなり、自己管理が容易になる。標準的な使用法ではザイティガを使用してから朝食まで1時間を空ける必要があったが、朝食とともに服用するのであれば患者は好きなタイミングで朝食を取ることができる」と話し、メリットは金銭面にとどまらないとの見解を示している。

 さらに、Szmulewitz氏は「今後、より大規模な臨床試験で検証する必要はあるが、医薬品の経済性の観点から、薬剤を処方する医療提供者と患者、保険者にとって、この研究データは考慮に値するものといえるだろう」と話している。

[2018年3月28日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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