米国民が恐れているのは病気よりも医療費

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HealthDay News

米国民が恐れているのは病気よりも医療費のイメージ

 米国人が恐れているのは病気よりも高額な医療費であることが、米シカゴ大学全国世論調査研究センター(NORC)と米ウエストヘルス研究所のグループが実施した調査で分かった。調査では、医療費の高さを理由に勧められた治療や検査を受けなかった経験や、病気やけがをした時に医療機関を受診しなかった経験がある人が4割に上ることも明らかになった。この調査結果は米国加齢学会(ASA 2018、3月26~29日、米サンフランシスコ)で発表された。

 調査は、2018年2月15~19日に米国在住の成人1,302人を対象にオンラインおよび電話で実施された。その結果、重い病気で高額な医療費を支払わなくてはならない事態を恐れていると回答した人の割合は40%で、重い病気になることを恐れている人(33%)を上回っていた。

 また、過去1年間に病気やけがをしたが医療機関を受診しなかった経験がある人が44%、勧められた治療や検査を受けなかった経験がある人が40%を占めていた。さらに、ほぼ半数(47%)が過去1年間に歯科検診や歯のクリーニングを一度も受けておらず、39%が歯の治療が必要な状態になっても歯科を受診していなかった。

 このほか、過去1年間に医療費の支払いか食費や光熱費などの生活費の支払いかの選択を迫られた経験がある人や、処方された薬剤を受け取らないか、受け取っても勝手に減量して使用した経験がある人も、それぞれ3割を占めていた。なお、医療機関で勧められた治療や検査を受けなかった経験がある人では、そのような経験がない人と比べて、病気や医療費に対して恐れを抱いている確率がほぼ2倍だった。

 こうした恐怖心に根拠がないわけではない。調査では、2人に1人に医療費に関連した金銭的な問題の経験があることが分かった。具体的な問題としては、医療費を支払うために「貯金を全て、またはほとんど使い果たした」(36%)、「借金した」(32%)、「貯蓄用の積立金を減らした」(41%)などだった。医療保険が適用されると考えていた医療費についても請求された経験がある人や、自己負担額が予想よりも高かった経験がある人も、それぞれ5割を超えていた。

 米国では2016年の医療費は3兆3000億ドル(約350兆円)に上り、国内総生産(GDP)の17.9%を占めていた。しかし、今回の調査では4人中3人が「費用に見合った医療が提供されていない」と感じていた。

 調査メンバーの一人でウエストヘルス研究所の所長であるShelley Lyford氏は、「米国人にとって病気よりも医療費の方がより大きな恐怖となっていることが示された。この調査結果は衝撃的で、許容し難い」としている。一方、同研究所のZia Agha氏は「医療費の高騰は、米国人の健康と経済的な安定性に直接的な影響を与えていることが浮き彫りになった」と指摘している。

[2018年3月29日/HealthDayNews]Copyright (c) 2018 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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