「働き続けること」に脳卒中後の脳保護効果?

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 働き続けることは脳卒中を発症した後の脳の健康に良い影響を与える可能性があることを示唆する研究結果が国際脳卒中学会(ISC 2018、1月24~26日、米ロサンゼルス)で発表された。テルアビブ・ソラスキー医療センター(イスラエル)神経科学のEinor Ben Assayag氏らが脳卒中患者252人のデータを分析した結果、脳卒中を発症する前後に就労していた人は、無職だった人と比べて発症から1年後および2年後に認知機能が低下するリスクが低かったという。

 研究の対象は、初めて脳卒中(軽度または中等度)を発症した65歳以下の成人患者252人。このうち発症前に就労していた患者の割合は68.7%、発症から1年後の時点で復職していた患者の割合は60.4%だった。なお、発症から2年以内に4.4%が死亡し、8.9%で認知機能の低下が認められた。

 Ben Assayag氏らが対象者のデータを分析した結果、脳卒中発症前に無職だった患者では、発症前に就労していた患者と比べて発症から2年以内に認知機能が低下するリスクが3倍以上(320%)高く、神経症状や抑うつ症状の悪化、炎症マーカー上昇のリスクも高かった。また、脳画像検査で大脳皮質や白質の容積の減少が認められる可能性や、2型糖尿病や高血圧がある可能性も、発症前に無職だった患者では就労していた患者と比べて高いことが分かった。さらに、脳卒中を発症してから1年後の時点で復職していた患者も、無職だった患者と比べて認知機能が低下するリスクが低いことが明らかになった。

Ben Assayag氏によると、これまでに複数の研究で脳卒中を発症した患者ではその後の認知症リスクが大幅に上昇すること、また就労の有無が脳卒中後の健康状態に影響する可能性が示されているという。今回の研究結果について、同氏は米国脳卒中学会(ASA)のプレスリリースで「われわれの研究では、死亡率も認知機能が低下する割合も無職の患者で高いことが示された」と説明し、「重要なのは、働き続けるということだ」と強調している。

なお、学会で発表された研究結果は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

[2018年1月25日/HealthDayNews]Copyright (c) 20xx HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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