“健康的な肥満”は存在しない?

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HealthDay News

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 いわゆる“健康的な肥満”の人でも、正常体重の人に比べると心疾患リスクが高いことが、英国の新たな研究で明らかにされた。

 “健康的な肥満”の人では、高コレステロール血症、血糖コントロール不良、糖尿病、高血圧など、通常肥満に関連する代謝障害がないといわれているが、心不全や脳卒中といった障害のリスクが高いかどうかはこれまで不明であった。

 この研究では、当初は心疾患が認められなかった18歳以上の英国人350万人の1995~2015年の電子カルテを分析した。その結果、代謝障害のない正常体重の人に比べて、健康的な肥満の人では心疾患リスクが50%、脳卒中リスクが7%高く、心不全リスクは2倍であり、末梢動脈疾患(PAD)リスクも大きいことが分かった。

 また、肥満の人の心疾患リスクは、代謝異常の数の増加に伴って高まることも分かった。例えば、代謝異常のない正常体重の人に比べて、3つの代謝異常がある肥満の人では、冠動脈疾患は約3倍、心不全は約4倍、PADは2倍以上になり、脳卒中リスクは58%高かった。

 研究著者である英バーミンガム大学のRishi Caleyachetty氏は、「代謝的に健康な肥満の人は、代謝的に健康な正常体重の人に比べて、冠動脈疾患、脳血管疾患、心不全のリスクが高い。医療従事者は肥満の人に対し、代謝異常の有無にかかわらず、まずは減量を促進することを優先すべきだ。“健康的な肥満”は集団レベルでみると無害ではないため、代謝合併症の数にかかわらずこの考え方は止めたほうがよいだろう」と述べている。

 この結果はポルトガル、ポルトで5月17~20日に開催された第24回欧州肥満会議(ECO 2017)で発表された。なお、学会発表されたデータと結論は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

[2017年5月17日/HealthDayNews]Copyright (c) 2017 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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