抗生物質の長期投与が結腸ポリープに関連

提供元:
HealthDay News

抗生物質の長期投与が結腸ポリープに関連のイメージ

 20代から50代のうちに抗生物質を長期間使用すると、結腸に前がん病変が生じるリスクが高まる可能性があると、大規模研究で示唆された。こうした病変はポリープあるいは腺腫と呼ばれ、放置するとがんになることがある。

 研究を率いた米ハーバード大学医学大学院内科准教授のAndrew Chan氏は、「抗生物質による腸内細菌叢の変化が、大腸がんの素因になることが示唆された。ただし、明確な医学的理由から抗生物質を必要とする人が心配するほどのリスクではなく、因果関係も明らかではない」と話す。なお、今回の研究は女性のみを対象としたものだが、この知見は男性にも当てはまる可能性が高いという。

 抗生物質は腸内細菌叢(腸内に生息している細菌の多様性や個数)に混乱をもたらし、病原菌に対する抵抗力も弱める。これらの影響はいずれも、前がん病変の発生に寄与すると考えられる。さらに、抗生物質の投与を要する細菌感染症は炎症を引き起こすことがあり、これも大腸がんの危険因子として知られていると、同氏は付け加えている。

 今回の研究では、看護師健康調査(Nurses' Health Study:NHS)に参加し、2004年の時点で60歳以上であった女性1万6,600人以上のデータを検討した。対象者は2004年に20~59歳のときの抗生物質の使用歴を回答し、2008年には最近の抗生物質の使用歴を回答した。対象者は2004~2010年の間に1回以上の大腸内視鏡検査を受け、1,200人近くでは大腸に前がんポリープがみつかった。

 その結果、直近4年以内に抗生物質を使用していても、ポリープのリスクは上昇しなかった。しかし、過去に抗生物質を長期間使用したことがある場合は、ポリープのリスクが上昇することが分かった。たとえば、20~30代で2カ月以上抗生物質を使用した人では、使用していない人に比べてリスクが36%高く、40~50代で使用した人では69%高かった。使用期間がもう少し短い場合でもリスクの上昇は認められ、20~59歳で15日以上抗生物質を使用すると、リスクは73%高いことが分かった。

 この分野に詳しい専門家である米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)消化器科長のPatrick Okolo氏は、「抗生物質への曝露後にみられる腸内細菌の多様性の変化により、この知見の生物学的な妥当性を説明できる。この結果は、腸内細菌がヒトの健康に重要であることを裏づける新たな根拠となる」と指摘している。

 Chan氏らは本研究には限界があることを認めており、使用した抗生物質の種類に関する情報がないことや、一部の病変は抗生物質の使用前から存在した可能性もあることを挙げている。

 この報告は「Gut」オンライン版に4月4日掲載された。

[2017年4月4日/HealthDayNews]Copyright (c) 2017 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら

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