待ったなし同時改定、どう議論進む?

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CBnews

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 2017年が幕を明けたばかりだが、来年4月に診療報酬・介護報酬の同時改定が控えているため、正月気分に浸りきれない人も少なくないはず。診療報酬は中央社会保険医療協議会(中医協)、介護報酬は社会保障審議会(社保審)の介護給付費分科会が、それぞれ改定に向けた議論の場だが、今月から待ったなしで進む検討のスケジュールなどを確認したい。

25年に向け、「極めて重要」な同時改定
 改定のペースは通常、診療報酬が2年ごと、介護報酬が3年ごとなので、2つが重なる同時改定は6年ごとだ。自宅や介護施設で暮らす高齢者らは、医療保険サービスと介護保険サービスの両方を必要とする場合が少なくないが、同時改定は、その報酬体系を整理し、医療・介護の連携を円滑にする絶好の機会と言える。

 国は団塊世代が75歳以上となる25年に向け、医療・介護の提供体制の整備を急ピッチで進めている。それまでに同時改定は2回あるが、2回目は24年度だ。あるべき提供体制の実現に向け、診療報酬・介護報酬による誘導策が講じられても、その効果は1年足らずでは表れにくい。

このため、厚生労働省の担当者は先月の中医協総会で、18年度の同時改定が「極めて重要な意味を持つ」と強調している。つまり次の同時改定では、抜本的な誘導策が図られる可能性が高い。

 気になるのは、誘導策がインセンティブになるか、それともペナルティーになるかだ。診療報酬・介護報酬がプラス改定で、十分な財源が確保されれば、インセンティブが設けられる可能性があるが、財源が十分に確保できなければ、ペナルティーによって医療機関・事業所の尻に火を付けるような施策が講じられかねない。改定率は年末までの予算編成過程で決まるが、例年以上に目が離せない。

中医協、今年当初から集中的に検討
 また、同時改定に向けた中医協での検討スケジュールは、先月の総会で厚労省が提案し、大筋で了承されている(下記参照)。通常の改定に向けた検討スケジュールと大きくは変わらないが、ペースがいつもより早く、今年の当初から集中的な検討が始まる点がポイントだ。中医協での議論には、今月から注目すべきだろう。

 さらに、厚労省は主な検討項目として、▽患者の状態に応じた入院医療の評価など「医療機能の分化・連携の強化、地域包括ケアシステムの構築の推進」▽アウトカムに基づく評価など「患者の価値中心の安心・安全で質の高い医療の実現」▽認知症患者に対する医療など「重点分野、個別分野に係る質の高い医療提供の推進」▽薬価制度の抜本改革など「持続可能性を高める効果的・効率的な医療への対応」―の4つを提案し、既に中医協の了承を得ている。

 スケジュール通り進めば、夏ごろまでの「第1ラウンド」で、各検討項目の経緯や主な論点が明らかになり、秋ごろまでの「第2ラウンド」で、各項目の具体的な方向性について議論が深まり、年末までの「第3ラウンド」で、社保審の医療保険部会・医療部会がまとめる基本方針を踏まえた対応が議題となる。となれば、基本方針がまとまるのは通常12月だが、その時期も早まる可能性がある。

 なお、医療・介護の連携を円滑にするため、中医協と介護給付費分科会の委員の意見交換会が今年3月をめどに催される予定だ。12年度の同時改定に向けても、中医協と同分科会の「打ち合わせ会」が一度開催されたが、意見交換は数回にわたり実施すべきと主張する中医協委員もいる。

介護給付費分科会、本格議論は4月から
 一方、介護給付費分科会は今年4月から介護報酬改定に向けて本格的な議論を開始する見通しだ。改定の基礎資料となる「介護事業経営実態調査」の結果が示される今年10月以降、諮問・答申に向けた具体的な議論が行われる。

(2017年1月3日 佐藤貴彦・ただ正芳・CBnews)

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