脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:67

片頭痛に対するubrogepantの痛み消失効果は?/NEJM

 前兆症状の有無にかかわらず、片頭痛に対してubrogepant投与はプラセボ投与と比べて、2時間後に痛みが消失した人の割合は有意に高率であり、最もつらい片頭痛関連の症状がなかった人の割合は有意に低率だった。米国・メイヨー・クリニックのDavid W. Dodick氏らが、1,672例を対象に行った無作為化二重盲検プラセボ対照パラレル群間比較試験の結果で、NEJM誌2019年12月5日号で発表した。ubrogepantは、経口小分子カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬で、急性期の片頭痛治療に有効であることが示されていた。

アルツハイマー病を防ぐ変異を持つ症例

 アミロイドβの高度な沈着は見られるが、アルツハイマー病を発症しない…。そんなまれな症例を、米国・ハーバード大学医科大学院のJoseph F. Arboleda-Velasquez氏らが Nature Medicine誌2019年11月号に報告した。今回の発見により、アルツハイマー病の予防や治療に、新たな選択肢がもたらされるかもしれない。  報告された症例は、アルツハイマー病になりやすい変異(E280A プレセニリン-1)を持つ家系から見つかった。対象症例の患者の家系では、軽度認知症を中央値44歳(95%CI:43~45)、認知症を中央値49歳(95%CI:49~50)で発症することが報告されているが、今回の症例は70歳まで軽度認知症を発症しなかった。

早発閉経、心血管疾患リスク増大の可能性/JAMA

 閉経後女性のうち、40歳になる前に早期の自然閉経/外科的閉経を経験した女性は、40歳以降に閉経した女性に比べ心血管疾患のリスクが、小さいとはいえ統計学的に有意に増加することが、米国・ハーバード大学医学大学院のMichael C. Honigberg氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2019年11月18日号に掲載された。最近のガイドラインでは、中年女性におけるアテローム性動脈硬化に基づく心血管疾患リスク評価の改善策として、40歳以前での閉経歴を考慮することが推奨されているが、確固としたデータはないという。

レビー小体型認知症の診断基準~最新情報と今後の方向性

 金沢大学の山田 正仁氏らは、2017年に改訂されたレビー小体型認知症(DLB)の臨床診断に関するコンセンサス基準より、診断基準の今後の方向性について解説を行った。Journal of Movement Disorders誌オンライン版2019年11月8日号の報告。  主な内容は以下のとおり。 ・DLBの臨床診断基準は、1996年に最初のコンセンサスレポートが公表され、2005年に第3改訂が行われた。 ・そして、2015年の国際DLB会議(米国・フロリダ州)で議論が行われた後、2017年に第4改訂が発表された。

てんかん重積、レベチラセタムvs.ホスフェニトインvs.バルプロ酸/NEJM

 ベンゾジアゼピン系薬治療抵抗性の痙攣性てんかん重積状態の患者に対し、静注用抗痙攣薬レベチラセタム、ホスフェニトイン、バルプロ酸は、いずれも効果は同等で、約半数で1時間以内に発作停止と意識レベル改善が認められることが明らかにされた。有害事象の発現頻度も3剤間で同程度だった。米国・バージニア大学のJaideep Kapur氏らが、384例を対象に行った適応的デザイン・無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌2019年11月28日号で発表した。これまで、同患者への薬剤選択について十分な研究は行われていなかった。

脳卒中後、CVイベント抑制のためのLDL-C目標値は?/NEJM

 アテローム性動脈硬化が証明され、虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)を発症した患者では、LDLコレステロール(LDL-C)の目標値を70mg/dL未満に設定すると、目標値90~110mg/dLに比べ、心血管イベントのリスクが低下することが、フランス国立保健医学研究所(INSERM)のPierre Amarenco氏らが行った「Treat Stroke to Target試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年11月18日号に掲載された。アテローム性動脈硬化に起因する虚血性脳卒中やTIAの患者では、スタチンを用いた強化脂質低下療法が推奨されている。一方、脳卒中発症後の心血管イベントの抑制におけるLDL-Cの目標値については、十分に検討されていないという。

降圧薬と認知症リスク~メタ解析

 認知症は、予防や治療戦略が難しい健康問題である。認知症を予防するうえで、特定の降圧薬使用が、認知症リスクを低下させるともいわれている。米国・国立衛生研究所のJie Ding氏らは、特定の降圧薬による血圧低下が認知症リスクに及ぼす影響について検討を行った。The Lancet. Neurology誌オンライン版2019年11月6日号の報告。  1980年1月1日~2019年1月1日までに公表された適格な観察研究より参加者データを収集し、メタ解析を実施した。適格基準は、コミュニティーの成人を対象としたプロスペクティブコホート研究、参加者2,000人超、5年以上の認知症イベントデータの収集、血圧測定および降圧薬の使用、認知症イベントに関する追加データを収集するための対面試験、死亡率のフォローアップを含む研究とした。ベースライン時の高血圧(SBP140mmHg以上またはDBP90mmHg以上)および正常血圧において、5つの降圧薬クラスを用いて、認知症やアルツハイマー病との関連を評価した。降圧薬服用確率に関連する交絡因子を制御するため、傾向スコアを用いた。研究固有の効果推定値は、変量効果のメタ解析を用いてプールした。

DPP-4阻害薬の心血管安全性はSU薬と同等(解説:吉岡成人氏)-1146

DPP-4阻害薬であるリナグリプチンの心血管アウトカムに関する試験として、プラセボを対照として非劣性を示したCARMELINA(Cardiovascular and Renal Microvascular Outcome Study With Linagliptin)試験の結果がすでに報告されている(Rosenstock J, et al. JAMA. 2019;321:69-79.)。今回、SU薬であるグリメピリドを対照として心血管アウトカムについて検証したCAROLINA(Cardiovascular Outcome Study of Linagliptin Versus Glimepiride in Patients With Type 2 Diabetes)試験の結果が、JAMA誌に掲載された(Rosenstock J, et al. JAMA. 2019 Sep 19. [Epub ahead of print])。

ダメージは不可逆、頭痛の裏に失明リスクのある眼疾患/日本頭痛学会

 眼の痛みがあったとしても診断時にその訴えがあるとは限らず、併存疾患の多い高齢者ではとくに鑑別が困難だが、頭痛診療で頭に留めておきたい眼疾患がある。第47回日本頭痛学会(11月15~16日)の「頭痛診療のクロストーク・連携」と題したワークショップで、川崎医科大学附属病院眼科の家木 良彰氏が頭痛診療と眼疾患について講演した。  はじめに家木氏は、突然の嘔吐と頭痛を訴え受診した80代女性の症例を紹介した。精査加療のため入院し、他疾患による頭痛として退院。退院後も吐き気、頭痛、眼痛が持続するため、10日以上経過後に初めて眼科を受診した。眼圧を測定したところ右眼圧60mmHgで、急性閉塞隅角緑内障と診断。同日中に白内障手術が施行された。

左冠動脈主幹部病変はPCIとCABGのいずれで治療しても予後は同じ(解説:上田恭敬氏)-1145

左冠動脈主幹部に目視で70%以上の狭窄病変あるいは虚血が示された50~70%の狭窄病変があり、SYNTAX scoreが32以下である、PCIとCABGのいずれによっても血行再建が可能とハートチームにより判断された患者を対象として、XIENCEステントを用いたPCIで治療する群(PCI群:948症例)とCABGで治療する群(CABG群:957症例)のいずれかに割り付けた、多施設無作為化比較試験(EXCEL試験)の5年フォローの結果が報告された。主要エンドポイントは死亡、脳卒中、心筋梗塞の複合エンドポイントである。