脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

乳がん後の心筋梗塞と脳卒中リスク

 乳がんと診断された女性におけるその後の心筋梗塞と脳卒中のリスクを分析したところ、心筋梗塞は20%、脳卒中は58%のリスク増加が示唆された。イタリア・トリノ大学のFulvio Ricceri氏らが、イタリア北西部の130万人の女性を対象とした大規模集団研究で分析した結果を、Breast Cancer Research and Treatment誌2026年1月29日号で報告した。  乳がんの生存期間は検診の普及と治療法の進歩により延長したが、同時に他疾患のリスクも増加している。原因としては、遺伝的要因、共通のリスク因子、治療による副作用などが挙げられる。そこで本研究では、治療の潜在的な副作用を考慮しつつ、乳がん患者における心筋梗塞と脳卒中のリスクを分析した。

不思議の国のアリス症候群、特定の薬剤が関連か

 不思議の国のアリス症候群(Alice in Wonderland syndrome:AIWS)は、物体や人の大きさが変わって見える、体が宙に浮くような感覚、時間の歪みなどの視覚的・知覚的歪みを伴う神経疾患である。従来から片頭痛やてんかん発作との関連が指摘され、その後、腫瘍や感染症、さらには薬物との関連も報告されている。フランス・ニース大学病院のDiane A. Merino氏らによる研究グループは、世界保健機関(WHO)の医薬品安全性データベースを解析した結果、モンテルカストやアリピプラゾールなどの特定の薬剤がAIWSの発現に関与している可能性を明らかにした。Psychiatry Research誌2026年2月号に掲載。

認知症に対する抗精神病薬中止に伴うBPSD再発リスクは?

 認知症の行動・心理症状(BPSD)の治療には、抗精神病薬が使用される。しかし、治療は有害な転帰と関連している。2018年のコクランレビューにおいて、治療群間の試験未完了者数の差を比較した結果、抗精神病薬の中止がBPSD症状にほとんど影響を及ぼさない可能性を示唆する質の低いエビデンスが示された。また、再発リスクの統合エフェクトサイズは報告されていなかった。英国・St Pancras HospitalのSophie Roche氏らは、認知症患者における抗精神病薬中止後のBPSD症状再発の統合リスク比(RR)についてメタ解析を実施した。Alzheimer's & Dementia誌2025年12月15日号の報告。

頭部外傷は自殺企図リスクを高める

 頭部への強い打撃は、自殺リスクを大幅に高める可能性のあることが、新たな研究で示唆された。頭部外傷を経験した人は、経験していない人に比べて自殺企図を抱くリスクが21%高いことが明らかになったという。英バーミンガム大学疫学およびリアルワールドエビデンス分野のNicola Adderley氏らによるこの研究の詳細は、「Neurology」1月27日号に掲載された。  論文の責任著者であるAdderley氏は、「この研究結果は、頭部外傷の影響が身体的な症状や後遺症にとどまらないことを示している。頭部外傷は、心理面にも深刻な影響を及ぼす可能性があるのだ。患者の転帰を改善し、安全を確保するためには、精神疾患の既往にかかわらず、最近、頭部外傷を負った全ての人に対し、自殺リスクの評価を検討すべきだ」とニュースリリースの中で述べている。

edaravone dexborneol、急性期脳梗塞患者の機能アウトカムを改善か(解説:内山真一郎氏)

edaravone dexborneolは、中国で開発されたエダラボンとdexborneolの合剤であり、日本で使用されている注射薬のエダラボンと異なり、舌下錠であり、エダラボンの抗酸化作用とdexborneolの抗炎症作用を併せ持つことから、エダラボンの単剤よりも多面的な神経保護効果が期待されている。前回行われたTASTE試験では、再灌流療法を受けていない急性虚血性脳卒中患者においてedaravone dexborneolはエダラボンを上回る転帰改善効果が報告されている。

アルコールは認知症を予防するのか?~メタ解析

 アルコール摂取と認知症リスクとの関連を明らかにするため、中国・黒龍江中医薬大学附属第一医院のRen Zhang氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Internal Medicine Journal誌オンライン版2025年12月10日号の報告。  2024年7月22日までに公表された研究をPubMed、Embase、Cochrane Library、Web of Scienceのデータベースより網羅的に検索した。対象研究は、アルコール摂取と認知症リスクとの関連を評価した研究とした。研究の質の評価には、ニューカッスル・オタワ尺度(NOS)を用いた。アルコール摂取と認知症リスクの関連性は、相対リスク(RR)および95%信頼区間(CI)を用いて評価した。アルコール摂取量、地域、年齢に基づいてサブグループ解析を実施した。すべての統計解析は、Stata 15.0を用いて行った。

小児片頭痛、起立性調節障害を伴わない場合は亜鉛欠乏か?

 片頭痛は学童期の子供の約10%にみられ、起立性調節障害を併存していることが多い。成人では血清亜鉛レベルの低下と片頭痛の関連が報告されているが、小児におけるエビデンスはこれまで限られていた。兵庫医科大学の徳永 沙知氏らの研究によると、小児片頭痛患者のうち、起立性調節障害を併存していない群では併存群に比べて血清亜鉛レベルが有意に低く、両者の病態生理が異なる可能性が示唆された。Nutrients誌2025年11月28日号に掲載。  本研究では、2017年12月~2022年3月に片頭痛と診断された小児患者57例を対象に、初診時の血清亜鉛、鉄、銅、フェリチン濃度および起立性調節障害併存の有無を後ろ向きに調査した。

エナジードリンクの過剰摂取は脳卒中リスクを高める?

 エナジードリンクは活力や元気をもたらすかもしれないが、飲み過ぎは深刻な脳卒中リスクを招く可能性があるとして、医師らが警鐘を鳴らしている。「BMJ Case Reports」に12月9日掲載された英ノッティンガム大学病院のMartha Coyle氏とSunil Munshi氏による症例報告によると、毎日8缶のエナジードリンクを飲む習慣があった健康で体力もある50代の男性が、その危険性を、身をもって知ることになった。報告によると、この男性は極めて高い血圧が原因で軽度の脳卒中を起こし、永久的なダメージを受けた。男性の血圧はエナジードリンクを飲む習慣をやめた後、正常に戻ったという。

アルツハイマー病に伴うアジテーション、最適なブレクスピプラゾールの投与量は?

 アルツハイマー病に伴うアジテーションは、患者の転帰と介護者の負担に重大な影響を及ぼす。ブレクスピプラゾールは有望な治療選択肢と考えられている。しかし、至適用量は依然として不明であった。サウジアラビア・King Faisal UniversityのMahmoud Kandeel氏らは、アルツハイマー病に伴うアジテーションの治療におけるブレクスピプラゾールの異なる用量の有効性と安全性を比較するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2025年12月8日号の報告。

片頭痛へのフレマネズマブ、小児・思春期児にも有益/NEJM

 反復性片頭痛を有する6~17歳の小児・思春期児において、フレマネズマブはプラセボと比較して、片頭痛および頭痛の日数を減少させたことが、米国・シンシナティ小児病院医療センターのAndrew D. Hershey氏らが行った3ヵ月間の海外第III相多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で示された。フレマネズマブ群で最も多くみられた有害事象は、注射部位紅斑であった。フレマネズマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に選択的に結合するヒト化モノクローナル抗体で、成人の片頭痛予防について承認されている。小児・思春期児について、無作為化試験のエビデンスが求められていた。結果を踏まえて著者は、「小児・思春期児におけるフレマネズマブの有効性と安全性をさらに調べるため、長期の追跡調査を行う必要がある」とまとめている。NEJM誌2026年1月15日号掲載の報告。