脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

高度なケアを要する高齢者における認知症・BPSDの有病率は

 高齢者において、高度なケアを必要とする疾患と認知症を合併すると、そのケアは複雑化する。台湾・Changhua Christian Hospitalの氏らは、経管栄養、呼吸器ケア、皮下注射、尿道カテーテル、ストーマケアまたは浣腸、創傷ケア、疼痛管理、透析といった高度なケアを要する患者を対象に、認知症および認知症の行動・心理症状(BPSD)の有病率を明らかにするため、調査を実施した。The Journal of Prevention of Alzheimer's Disease誌オンライン版2026年8月14日号の報告。  本研究は、台湾全国規模の集団ベース横断調査として実施した。多段階層化系統抽出法を用い、2020年9月〜2022年6月に計1万1,297例の参加者を登録した。

心血管疾患歴や糖尿病がない高齢者でも、高用量スタチンは心筋梗塞、脳卒中発症を予防する。しかし、認知症、フレイルの発症予防には効果なし―STAREE研究(解説:桑島巖氏)

メルボルン在住で、心血管疾患の既往や糖尿病がない70歳以上の住民9,971例を、アトルバスタチン40mg治療群とプラセボ群にランダマイズして平均5.9年間追跡し、(1)心血管疾患発症率、心血管死および、(2)認知症、フレイル、総死亡の2つを主要エンドポイントとして評価した臨床研究である。本試験の特徴として、両群ともLDL-コレステロール平均値が、治療群では126.2±27.8mg/dL、プラセボ群では127.0±28.1mg/dLと正常範囲内であることである。すなわち、高コレステロール基準に達していない例が多いことが挙げられる。

犬を飼うことで認知症予防は可能か?〜日本人対象研究

 国立環境研究所の谷口 優氏らは、犬の飼育者の身体的、社会的、心理的特性に基づいた傾向スコア重み付け法を用い、犬の飼育と要介護認知症の発症および死亡との関連を調査した。さらに、操作変数モデルを用いて、この関係における因果関係の可能性を検討した。加えて、費用対効果分析を用いて、犬の飼育に伴う費用と効果についても検討を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2026年7月22日号の報告。  犬の飼育状況は、「現在飼育中」、「過去に飼育経験あり」、「飼育経験なし」の3つに分類した。要介護認知症は、日本の介護保険制度における医師の判定に基づき定義し、死亡については約7.5年間のフォローアップ期間中に日本の人口動態統計を用いて確認した。

認知症高齢者、診断の何年前から自動車事故リスクが高い?

 アルツハイマー病およびアルツハイマー関連認知症(ADRD)の患者は、認知機能の低下により自動車事故のリスクが高まる。この認知機能低下は、診断の数年前から始まっていることも少なくない。自動車事故は、ADRDに関連する認知機能障害の指標となり、早期診断を促進する可能性がある。米国・ブラウン大学のNina R. Joyce氏らは、ADRD患者の自動車事故発生について、診断前までさかのぼり、調査を行った。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2026年8月6日号の報告。

AF治療中に脳梗塞を招く潜在的要因とは

心房細動(AF)患者における経口抗凝固薬(OAC)投与は、脳梗塞予防の中心であるが、適切に治療されていても脳梗塞を発症する事例が存在する。こうしたブレークスルー脳梗塞(breakthrough ischemic stroke)の潜在的原因や、その後の予後への影響は十分に明らかになっていない。そこで、イタリア・University of L'AquilaのFederico De Santis氏らは、AFに対するOAC継続中に発症した脳梗塞患者を対象に、潜在的な原因と90日転帰との関連を検討した。その結果、潜在的な原因は約半数で認められ、90日以内の脳梗塞再発リスク上昇と関連していた。本研究結果は、Journal of Neurology誌オンライン版2026年8月17日号に掲載された。

後天性視床下部性肥満への薬物療法の体組成への影響

 視床下部の器質的病変ないしは物理的損傷により生じる後天性視床下部性肥満(aHO)の患者への薬物療法が体組成に及ぼす影響などは、どのようなものがあるだろうか。このテーマについて、中国・上海体育大学運動・健康学部のHanhan Yu氏らの研究グループは、aHO患者への薬物療法が体組成に及ぼす影響と背景療法としての生活習慣介入の効果を体系的に評価した。その結果、特定の薬物療法がaHOの体重や体組成の転帰を改善する一方で、エビデンスがまだ限定的であり、確実性が低いことがわかった。Obesity誌2026年8月26日号に掲載。

アメフト選手は死亡時のCTE有病率が高い/BMJ

 慢性外傷性脳症(CTE)は、反復的な頭部への衝撃を高頻度に受けたコホートにみられる神経変性疾患であり、CTEは死後の神経病理学的評価に基づいてのみ確定診断が可能とされる。米国・ハーバード大学のDaniel H. Daneshvar氏らは、2016~21年に死亡した同国のナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の元選手の少なくともほぼ4分の1が、死亡時にCTEに罹患しており、脳提供者では生前の記録に基づく認知症の頻度が高く、認知症はステージIVのCTEと関連することを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年8月25日号で報告された。

「軽度な幻覚」はDLBとADの早期鑑別のバイオマーカーとなりうるか

 アルツハイマー型認知症(AD)とレビー小体型認知症(DLB)の早期鑑別は、とくに認知機能プロファイルの重複が大きい初期段階において、依然として課題となっている。疾患ごとに治療方針が異なるため、ADとDLBの正確な診断の重要性はますます高まっている。スペイン・Hospital San Vicente del RaspeigのMarina Ruiz Pinero氏らは、初期のADとDLBの臨床的、神経心理学的、知覚的特徴を比較し、とくに「軽度な幻覚」に焦点を当てて、両疾患の鑑別における診断的有用性を評価した。Journal of Alzheimer's Disease誌2026年9月号の報告。

急性期脳梗塞、血栓回収術後の頭位挙上は有効か/BMJ

 血栓回収術で再灌流に成功した急性期虚血性脳卒中患者において、頭位挙上は頭位を水平位置に保つ場合と比較して、機能的アウトカムを改善せず、全死因死亡率にも差は示されなかった。中国・西南医科大学のZhengzhou Yuan氏らが「HeadSOAR試験」の結果で報告した。血栓回収術後の最適な頭位は不明とされ、血行動態の安定と脳浮腫の予防のどちらを優先すべきかについては相反するエビデンスが存在するという。研究の成果は、BMJ誌2026年8月20日号に掲載された。

アルツハイマー病に伴うアジテーション、抗うつ薬併用有無でブレクスピプラゾールの有効性に違いはあるか

 抗うつ薬使用の有無により、アルツハイマー病に伴うアジテーションに対するブレクスピプラゾールの有効性および安全性に違いはあるのかを明らかにするため、米国・Connecticut Clinical ResearchのC. Brendan Montano氏らは、ブレクスピプラゾールの2つの第III相臨床試験のデータを統合し、事後解析を実施した。The American Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2026年6月30日号の報告。  ブレクスピプラゾールに関する2つの第III相試験(12週間、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照)のデータを統合した。事後解析として、抗うつ薬使用の有無により患者を層別化した。有効性はCohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)、安全性は治療中に発現した有害事象(TEAE)を用いて評価した。