脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

少しの身体活動でも心房細動患者の脳卒中リスク低下

 心房細動患者では、たとえ少ない身体活動量でも脳卒中や死亡リスクが低下する可能性を示唆する研究結果が報告された。ノルウェー北極大学(トロムソ大学)のKristoffer Johansen氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に8月5日付で掲載された。  心房細動は不整脈の一種で、脳卒中のリスクを高める。米国では推定1050万人の成人が心房細動に罹患しているとされている。一方、一般住民の脳卒中リスクは、習慣的な身体活動量が多いほど低いことが知られている。

発症後48時間以内の脳梗塞、loberamisal追加vs.標準治療のみ/JAMA

 発症後48時間以内の急性虚血性脳卒中患者において、標準治療へのloberamisal静脈内投与の追加は標準治療のみと比較し、90日時点における良好な機能予後の達成率を上昇させた。中国・首都医科大学のShuya Li氏らLAIS investigatorsが、同国32施設で実施した第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「LAIS試験」の結果を報告した。急性虚血性脳卒中に対する神経保護療法および神経修復療法は、依然として限られている。loberamisalは、シナプス後肥厚部タンパク質95(PSD-95)経路とα2-γ-アミノ酪酸A(α2-GABAA)受容体の両方を標的とする低分子化合物で、第II相無作為化試験において良好な忍容性と有効性が示唆されていた。

早期および晩期発症のアルツハイマー病における抗Aβ免疫療法後の脳容積推移

 抗アミロイドβ免疫療法(AAT)の試験において、脳容積減少の加速が観察されている。しかし、早期発症アルツハイマー病(EOAD)と晩期発症アルツハイマー病(LOAD)における、この逆説的な現象については、依然として十分にわかっていない。米国・ウェストバージニア大学のRashi I. Mehta氏らは、EOADおよびLOADにおけるAAT後の脳容積の変化をレトロスペクティブに解析した。Alzheimer's & Dementia誌2026年8月22日号の報告。  AAT開始後1年間の脳容積の変化をレトロスペクティブに解析した。脳容積の年間変化率を算出し、線形混合効果モデルを用いて、EOADとLOADにおける脳容積の経時的変化を評価した。

脳卒中後のリハビリ、AHA/ASAが新ガイドラインを公表

 サンフランシスコでメイクアップアーティストとして働いていたSara Kutzleさんは、39歳のときに脳卒中を発症し、1週間にわたって集中治療を受け、1カ月間入院した。退院後のKutzleさんは、何カ月もかけて、歩くことや文字を書くこと、右利きのアーティストとして再び仕事をすることなど、日常生活や仕事に必要な能力を一から身に付け直す必要があった。彼女はニュースリリースの中で、「当初は体の回復に集中していたが、すぐに、回復にはそれ以上のことが関わっていると気付いた。自信、メンタルヘルス、人間関係、自立しているという感覚の全てが影響を受けた」と振り返っている。

高齢者に対するSSRI継続使用、認知症リスクを上昇させるか?低下させるか?

 うつ病は、認知症のリスク因子である。しかし、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と認知症リスクとの関連を検討した研究において、うつ病を交絡因子として調整した研究は少なく、神経病理学的アウトカムを検討した研究はほとんど存在しない。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のJacob S. Shaw氏らは、うつ病の既往歴を有する高齢者におけるSSRIの継続使用と認知機能障害および機能障害の進行、抑うつ症状、認知症に関連する神経病理学的所見との関連を検討した。The American Journal of Geriatric Psychiatry誌2026年1月号の報告。

脳卒中リスク中等度の心房細動患者、DOACは推奨できるか/NEJM

 脳卒中のリスクが中等度の心房細動患者において、直接経口抗凝固薬(DOAC)療法は抗凝固療法を行わない場合と比較して、24ヵ月の時点での脳卒中、全身性塞栓症、大出血、心血管死の複合リスクを有意に低下させることが示された。韓国・延世大学校医科大学のDaehoon Kim氏らSINGLE-AF Investigatorsが韓国の18施設で実施した「SINGLE-AF試験」の結果を報告した。現行の欧米のガイドラインは、これらの患者に対して経口抗凝固薬の投与を検討すべき(推奨クラスIIa)としているが、この治療法を支持する無作為化試験のエビデンスは十分でないという。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年8月28日号に掲載された。なお、本研究は2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表された。

全国に整備が義務付けられた「認知症疾患医療センター」その地域格差は

 日本の認知症施策では、各2次医療圏に1ヵ所以上の認知症疾患医療センターを設置し、地域を問わず専門的な認知症医療サービスへの公平なアクセスを確保することが求められている。新潟医療福祉大学の馬場 美彦氏らは、認知症疾患医療センターの地理的・気候的特性および地理的アクセシビリティを明らかにするとともに、各2次医療圏への設置方針にもかかわらず同施設が未設置である2次医療圏の地理的特性を解明することを目的とし、本研究を実施した。BMJ Open誌2026年8月14日号の報告。

ショウガは片頭痛予防に有効?

 オーストラリア・Bond UniversityのTiffany Atkins氏らは、片頭痛の治療およびマネジメントにおけるショウガの有効性を明らかにするため、ランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。BMJ Evidence-Based Medicine誌オンライン版2026年8月14日号の報告。  ショウガの単独または補助療法の効果を、プラセボまたは通常の有効対照薬(バルプロ酸、アミトリプチリン、スマトリプタンなど)と比較したRCTを対象とした。2025年3月26日(2026年4月16日に更新)までに公表された研究をPubMed、Embase、CINAHL、PsycINFO、Epistemonikos、Cochrane CENTRALより検索した。採用された対象研究について、引用文献および被引用文献のフォローアップ調査(前方・後方検索)を実施した。2人の著者が独立して文献のスクリーニングとデータ抽出を行い、Cochrane Risk of Bias 2(ROB 2)ツールを用いてバイアスのリスクを評価した。主要評価項目には、治療後の頭痛重症度または疼痛スコア、治療後に疼痛消失または疼痛緩和が得られた患者の割合、片頭痛発作の頻度と持続時間、片頭痛に伴う症状を含めた。ランダム効果モデルを用いたメタ解析を実施し、Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation(GRADE)手法を用いてエビデンスの確実性を評価した。

脳深部刺激療法で外傷性脳損傷後の発話・嚥下機能が改善か

 脳に電極を植え込んで電気刺激を与える脳深部刺激療法(DBS)が、外傷性脳損傷(TBI)後の構音障害や嚥下障害の改善を促す可能性が、新たな研究で示された。このDBSは、脳深部の領域である運動視床に低周波の電気刺激を与えるもの。今回の小規模研究では、薬物治療抵抗性の左右非対称な本態性振戦の治療目的でDBS用電極の植え込みを受けた8人を対象に低周波のDBSを行ったところ、顔面筋および口腔咽頭筋の運動出力が増強したことが確認された。さらに、TBI後に重度の構音障害と中等度の嚥下障害を来した患者1人でも、発話や嚥下機能の改善が認められた。

何年禁煙すればアルツハイマー病リスクが元に戻るのか?

 喫煙は、アルツハイマー病の修正可能なリスク因子の1つである。しかし、禁煙後のアルツハイマー病リスク低下の経時的パターンについては依然として不明であった。韓国・慶熙大学のSeong-Ho Moon氏らは、大規模な全国コホートを用いて、継続的な禁煙期間に応じてアルツハイマー病リスクが低下するかどうかを調査した。Alzheimer's Research & Therapy誌オンライン版2026年6月29日号の報告。  2002~23年の韓国国民健康保険公団(NHIS)のデータベースを用いて、2年ごとの定期健康診断に基づき、長期間にわたり喫煙状況が安定していた成人140万3,636人を特定した。喫煙状況は「非喫煙者」「現在喫煙者」「継続的禁煙者」に分類し、禁煙期間は2年刻みで区分した(2年未満、2~3年、4~5年、6~7年、8年以上)。アルツハイマー病の発症は、NHISへの保険請求が2回以上行われた場合と定義した。人口統計学的因子、生活習慣因子、代謝因子を調整した後、Cox比例ハザードモデルを用いて調整ハザード比(aHR)と95%信頼区間(CI)を推定した。