内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:219

肺炎での不要な抗菌薬、プロカルシトニン+肺超音波の診療現場検査で減らせるか/BMJ

 プライマリケアにおける下気道感染症患者への抗菌薬処方に関して、プロカルシトニンによるpoint-of-care検査は通常治療と比較して、28日の時点で患者の安全性に影響を及ぼさずに抗菌薬処方を26%減少させるが、これに肺超音波によるpoint-of-care検査を加えても、それ以上の処方率の減少は得られないとの研究結果が、スイス・ローザンヌ大学病院のLoic Lhopitallier氏らによって報告された。研究の詳細は、BMJ誌2021年9月21日号に掲載された。  本研究は、プライマリケアの下気道感染症患者における、プロカルシトニンpoint-of-care検査と肺超音波point-of-care検査は安全性を保持しつつ不要な抗菌薬処方を削減できるかの検証を目的とする、スイスの実践的な非盲検クラスター無作為化試験であり、2018年9月に開始されたが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染爆発の影響で、2020年3月10日に早期中止となった(スイス国立科学財団[SNSF]などの助成による)。

コロナ治療薬「ロナプリーブ」、発症予防と無症状感染者治療に適応拡大申請/中外

 中外製薬は10月11日付のプレスリリースで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ロナプリーブ」について、濃厚接触者の発症予防および無症状感染者への治療薬として適応拡大を申請したと発表した。本剤は点滴静注で承認されているが、今回、皮下注射を可能とする用法追加も併せて申請。より汎用性が高まることが期待される。  ロナプリーブは、SARS-CoV-2に対する2種類のウイルス中和抗体(カシリビマブ+イムデビマブ)を組み合わせ、COVID-19に対する治療および予防を目的として、米・リジェネロン社などが開発。軽度~中等度COVID-19外来患者への治療薬として、7月に厚生労働省が特例承認した。

胃腸症状とうつ病との関連~米国健康栄養調査

 最近、多くの調査において、うつ病の病因としてのマイクロバイオームの役割がトピックスとなっている。調査結果によると、腸内細菌叢による一般的な症状である腸内尿毒症が胃腸症状の問題の根底にあり、これがうつ病と関連していることが示唆されている。米国・タフツ大学のSarah J. Eustis氏らは、胃腸症状の徴候が認められる人では、抑うつ症状のオッズ比(OR)が有意に高いかどうかを検証するため、本研究を実施した。Journal of the Academy of Consultation-Liaison Psychiatry誌オンライン版2021年8月27日号の報告。

ファイザー製ワクチン、リアルワールドでの効果持続は/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染または新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン効果の減衰が懸念されている。今回、PCR検査が大規模に実施されているカタールにおいて、Weill Cornell Medicine-QatarのHiam Chemaitelly氏らがBNT162b2 mRNAワクチン(Pfizer/BioNTech製)の効果の持続性について検討した。その結果、感染に対する効果は2回目投与後のピークの後に急速な減衰がみられたが、入院や死亡抑制効果については、2回目投与後6ヵ月間は効果が持続していることが示唆された。NEJM誌オンライン版2021年10月6日号に掲載。

レビー小体型認知症の前段階における精神病理学的特徴

 レビー小体型認知症(DLB)では、発症前に幻覚、抑うつ症状、緊張病症状、認知機能障害、妄想など、さまざまな精神症状の出現が高率で認められる。しかし、前段階DLBで認められるこれらの精神症状の特徴は、よくわかっていない。砂川市立病院の内海 久美子氏らは、顕著な認知機能障害が出現する前の前段階DLB患者における精神病理学的特徴を明らかにするため、検討を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2021年8月24日号の報告。  認知症ではなく重度の精神症状を発症したが、長期観察後にDLBと診断された前段階DLB患者21例を対象に精神病理学的特徴を分析した。DLBの確認は、シンチグラフィの示唆的および支持的なバイオマーカーを用いて行った。

CRP POCT、介護施設入居者の抗菌薬処方を削減/BMJ

 下気道感染症が疑われる介護施設入居者において、C反応性蛋白(CRP)の臨床現場即時検査(point-of-care testing:POCT)は通常ケアと比較して、完全回復率や全死因死亡率、入院率には差がないものの、抗菌薬の処方を安全に削減することが、オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのTjarda M. Boere氏らが実施した「UPCARE試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年9月21日号で報告された。  研究グループは、介護施設入居者に対するCRP POCTが、下気道感染症への抗菌薬処方を安全に削減できるかを検証する目的で、実践的なクラスター無作為化対照比較試験を行った(オランダ・保健研究開発機構[ZonMw]の助成による)。

COVID-19外来患者へのロナプリーブ、第III相試験結果/NEJM

 重症化リスクを有する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の外来患者の治療において、REGEN-COV(モノクローナル抗体カシリビマブとイムデビマブの混合静注薬、商品名:ロナプリーブ)はプラセボと比較して、COVID-19による入院/全死因死亡のリスクを低減するとともに、症状消退までの期間を短縮し、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のウイルス量を迅速に低下させることが、米国・Regeneron PharmaceuticalsのDavid M. Weinreich氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年9月29日号に掲載された。

デュアルGIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatideの血糖降下作用および体重減少作用は基礎インスリン デグルデクより優れている(解説:住谷哲氏)

SURPASS-3はデュアルGIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatideの臨床開発プログラムSURPASS seriesの一つであり、基礎インスリンであるデグルデクとのhead-to-head試験である。2018年にADA/EASDの血糖管理アルゴリズムがGLP-1受容体作動薬を最初に投与すべき注射薬として推奨するまでは、経口血糖降下薬のみで目標とする血糖コントロールが達成できない場合には基礎インスリンの投与がgold standardであった。特に持効型インスリンであるグラルギンの登場後は、BOT(basal-supported oral therapy)として広く一般臨床でも用いられるようになっている。

男性の抑うつ症状や肥満の改善に対するeHealthプログラムの影響

 肥満とうつ病は、男性において相互に関連する健康上の問題であるにもかかわらず、これらの問題を管理するためのサポートは十分に行われていない。オーストラリア・ニューカッスル大学のMyles D. Young氏らは、セルフガイドのeHealthプログラム(SHED-IT:Recharge)が過体重または肥満の改善および抑うつ症状の改善に寄与するかについて、検討を行った。Journal of Consulting and Clinical Psychology誌2021年8月号の報告。

COVID-19に有効な治療は?抗体薬4剤を含むメタ解析/BMJ

 非重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者において、カシリビマブ/イムデビマブはほぼ確実に入院を減少させ、bamlanivimab/etesevimab、bamlanivimab、ソトロビマブは入院を減少させる可能性があるが、回復期血漿、IVIg、他の抗体および細胞治療は、いかなる意味のあるベネフィットをも与えない可能性がある。カナダ・マックマスター大学のReed Ac Siemieniuk氏らが、COVID-19の試験に関するデータベースを基にリビング・システマティック・レビューとネットワークメタ解析を行い明らかにした。BMJ誌2021年9月23日号掲載の報告。