ワクチン導入前のコロナ感染者致死率、医療レベル以外の要因が存在?/Lancet
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン導入および変異株流行前の感染者致死率(IFR)は、190の国・地域によって30倍以上のばらつきがあることが、COVID-19 Forecasting TeamのReed J. D. Sorensen氏らが実施したCOVID-19総死亡と血清有病率調査の系統的解析の結果、示された。とくに医療システムが良好な国で年齢標準化IFRが高かったことは、医療能力以外の要因が重要であり、その要因として介護施設におけるアウトブレイクやCOVID-19を重症化させる併存疾患などが考えられた。また、ワクチン導入前にIFR推定値の中央値が8ヵ月間で33%減少しており、COVID-19に対する治療が時間の経過とともに改善されていることを示唆するものである。著者は、「ワクチン導入前のIFRを推定することは、COVID-19による死亡パターンの進行を説明する重要な基礎を提供するものである」と述べている。Lancet誌オンライン版2022年2月24日号掲載の報告。