内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:183

コロナワクチンの有効性、AZ製vs.ロシア製vs.中国製/Lancet

 アルゼンチンにおいて使用された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する3種類のワクチンは、いずれもSARS-CoV-2感染とCOVID-19による死亡を減少させ有効であることが認められた。アルゼンチン保健省のAnalia Rearte氏らが、60歳以上を対象とした診断陰性デザイン(test-negative design)による症例対照研究の結果を報告した。アルゼンチンでは、2021年1月よりrAd26-rAd5(Sputnik製)、ChAdOx1 nCoV-19(AstraZeneca製)およびBBIBP-CorV(Sinopharm製)を用いたCOVID-19ワクチン接種キャンペーンが開始されていた。Lancet誌オンライン版2022年3月15日号掲載の報告。

BA.2への中和抗体価、追加接種やBA.1感染でどのくらい上がるか/NEJM

 オミクロン株亜種BA.1とBA.2は複数の共通した変異を持つが、それぞれ固有の変異も持つ。BA.1は免疫回避性を有することが報告されているが、BA.2がワクチン接種や感染による中和抗体の誘導を回避する能力を有するかどうかはわかってない。米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのJingyou Yu氏らは、ワクチン接種者および既感染者におけるBA.2に対する中和抗体価を調査。NEJM誌オンライン版2022年3月16日号のCORRESPONDENCEに掲載された。  BNT162b2 mRNAワクチン(Pfizer-BioNTech社)の初回(1~2回目)および追加接種済で新型コロナウイルス感染歴のない24人と、ワクチン接種歴によらず感染歴のある8人を対象に、中国・武漢で分離されたWA1/2020株、およびオミクロン株亜種BA.1およびBA.2に対する中和抗体反応を評価した。

オミクロンvs.デルタ、ワクチン接種・感染歴・年齢別の入院・死亡リスク/Lancet

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染後の重症アウトカムのリスクについて、デルタ変異株(B.1.617.2)よりもオミクロン変異株(B.1.1.529)で大幅に低く、オミクロン変異株ではより重症度の高いエンドポイント発生が大きく低下しており、年齢間のばらつきは顕著であることなどが、英国・ケンブリッジ大学のTommy Nyberg氏らによる検討で示された。オミクロン変異株は部分的なワクチンエスケープと、高い感染性が示されているが、早期の試験でデルタ変異株よりも重症化リスクは低いことが示唆されていた。Lancet誌オンライン版2022年3月16日号掲載の報告。

薬物性味覚障害マニュアルが11年ぶりに改定、注意すべき薬剤と対策は?/厚労省

 『重篤副作用疾患別対応マニュアル』は77項目に細分化され、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページに掲載されているが、今回、「薬物性味覚障害」の項が11年ぶりに改定された。薬剤性味覚障害は味覚障害の原因の約20%を占めていること、多くの薬剤の添付文書の副作用に記載されていることから、以下に示すような薬剤を服用中の患者の訴えには十分注意が必要である。

医師の命狙う凶悪事件に何を思う【在宅医インタビュー】

 医師の命を狙った、卑劣な事件が相次いでいる。記憶に新しいところでは、今年1月27日、埼玉県ふじみ野市で、男(66)が死亡した母親の訪問診療を担当していた在宅クリニック関係者を自宅に呼び出し、散弾銃を発砲。担当医(44)を殺害したほか、同行していた理学療法士(41)に大けがを負わせた。男は自宅内に立てこもった末、殺人および殺人未遂容疑などで逮捕、送検された。さいたま地検は3月3日より鑑定留置を行い、男の刑事責任能力の有無などを調べている。

安定冠動脈疾患の診断と治療~JCSガイドラインフォーカスアップデート版発表/日本循環器学会

 2022年3月11~13日に開催された第86回日本循環器学会学術集会で、中埜 信太郎氏(埼玉医科大学国際医療センター 心臓内科)が3月11日に発行された『2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療』について概要を説明した。本フォーカスアップデート(FU)は、2019年に発表された「慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)」と「安定冠動脈疾患の血行再建ガイドライン(2018年改訂版)」の2つから新たな知見をまとめて作成。最近の大規模研究のエビデンスに基づき、安定冠動脈疾患(CAD)の管理全般に求められる指針の提供を主たる目的としている。英語版も同時に発行された。

難治性慢性咳嗽へのgefapixant、第III相試験で有望な結果/Lancet

 難治性の慢性咳嗽または原因不明の慢性咳嗽に対して、gefapixant 45mgの1日2回投与は新規開発の治療法として、許容可能な安全性プロファイルと有効性を有することが示された。英国・クイーンズ大学ベルファストのLorcan P. McGarvey氏らが、2つの第III相臨床試験「COUGH-1試験・COUGH-2試験」の結果を報告した。gefapixantは経口P2X3受容体拮抗薬であり、同薬はこれまでに、難治性の慢性咳嗽または原因不明の慢性咳嗽に対する有効性と安全性が示されていた。Lancet誌2022年3月5日号掲載の報告。  COUGH-1試験とCOUGH-2試験はいずれも、第III相の二重盲検無作為化並行群プラセボ対照試験。COUGH-1試験は17ヵ国156試験地、COUGH-2試験は20ヵ国175試験地で実施された。登録被験者は、1年以上続く難治性の慢性咳嗽または原因不明の慢性咳嗽と診断された18歳以上で、スクリニーングおよびベースラインでの咳嗽重症度視覚アナログスケールスコアが40mm以上の患者とした。

アルコール摂取とアルツハイマー病リスク~用量反応メタ解析

 アルコール消費とアルツハイマー病リスクとの関連について、中国・Affiliated Hospital of Jilin Medical UniversityのChunxiang Xie氏らが、アルコールの用量反応メタ解析を実施した。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2022年2月16日号の報告。  2019年9月1日の時点におけるPubMed、Web of Scienceのデータベースより、対象研究をシステマティックに検索した。アルコール消費とアルツハイマー病リスクとの関連を評価するため、相対リスクと95%信頼区間(CI)を用いた。アルコールの種類、民族性、研究デザイン、性別に基づきサブグループ解析を行った。アルコールの用量反応メタ解析を実施した。

糖尿病の合併症を「線」の血糖管理で防ぐ/アボットジャパン

 アボットジャパン合同株式会社は、同社が製造・販売する持続血糖測定器(CGM)の「FreeStyle リブレ」(以下「リブレ」と略す)が、2022年4月より「インスリン製剤の自己注射を1日1回以上行っている入院中の患者以外の患者」にも保険適用が拡大されることを受け、オンラインでメディアセミナーを開催した。  セミナーでは、CGMの使用で把握できる血糖スパイクや夜間低血糖への対応のほか、糖尿病の合併症予防への効果、日常の糖尿病管理での活かし方などが説明された。

オミクロン株へのワクチン有効性、3回接種で対従来株と同等/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンは、アルファ変異株、デルタ変異株、オミクロン変異株によるCOVID-19関連入院の予防に高い有効性を示したが、オミクロン変異株に対しては、デルタ変異株やアルファ変異株に対する2回接種で得られる効果と同じ効果を得るためには、3回接種が必要であることが、米国・ミシガン大学のAdam S. Lauring氏らによる症例対照試験で示された。また、COVID-19による入院患者では、オミクロン変異株のほうがデルタ変異株より重症度が低かったものの、依然として罹患率および死亡率は高いこと、3種すべての変異株についてワクチン接種済みの患者は未接種患者と比較し重症度が有意に低いことも明らかになったという。BMJ誌2022年3月9日号掲載の報告。  研究グループは米国の21病院において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性が確認された18歳以上のCOVID-19入院患者(症例)と、同時期の非COVID-19入院患者(対照)を登録し、前向き観察研究を実施した。解析対象は、2021年3月11日~2022年1月14日の間に登録されたCOVID-19患者5,728例、対照患者5,962例の計1万1,690例であった。