話がまとまったはずが…契約更新NGって何!?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第5回

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公開日:2020/11/23

医業承継

診療所を売買する「医業承継」。売る側は後継者と譲渡金が手に入り、買う側は集患の手間なく初期費用も減って…、といいことづくしのようですが、実はあちこちに落とし穴が!最低限の知識をマンガで解説。

登場人物紹介

ひつじ先生

ひつじ先生

43歳。専門は消化器内科で大阪の100床規模の病院で勤務中。父親も医師で地方で開業している。そろそろ自分も独立して開業しようかなーと思いつつ、思い切れず、妻に尻を叩かれている。私立中学に通う1人息子がいる。

ひつじ先生

ひつじ先生

43歳。専門は消化器内科で大阪の100床規模の病院で勤務中。父親も医師で地方で開業している。そろそろ自分も独立して開業しようかなーと思いつつ、思い切れず、妻に尻を叩かれている。私立中学に通う1人息子がいる。

ヤギ先生

ヤギ先生

72歳。専門は整形外科で地方都市でクリニックを開業して30年を迎えた。患者やスタッフから慕われ、経営は順調だが、そろそろ体力が厳しく、引退を考えるように。子供たちは医師だが承継の意志はなく、設備と患者を誰かに引き継いでもらえないかと考え中。

ヤギ先生

ヤギ先生

72歳。専門は整形外科で地方都市でクリニックを開業して30年を迎えた。患者やスタッフから慕われ、経営は順調だが、そろそろ体力が厳しく、引退を考えるように。子供たちは医師だが承継の意志はなく、設備と患者を誰かに引き継いでもらえないかと考え中。

第5回 話がまとまったはずが…契約更新NGって何!?

漫画・イラスト:かたぎりもとこ

医業承継に当たって、重要になるのが不動産の位置付けです。

売り手側の院長が不動産を所有しているケースは3割程度で、残り7割の方はテナント(賃貸)で診療所を運営しています。テナントの場合は、診療所の引き継ぎ時に不動産のオーナーに許可を得る必要があります。

テナントの引き継ぎには大別して以下の3つのパターンが存在します。

  • (1)そのまま契約を継続する
  • (2)ゼロから契約する
  • (3)名義変更が生じる

(1)そのまま契約を継続する

売り手の診療所が医療法人という形態で「法人」としてテナントを借りている場合には、そのまま契約を継続するケースが多くなります。賃貸条件を原則そのままで引き継ぐことができる反面、このタイミングでは敷金や保証金が貸主から返還されることはありません。

(2)ゼロから契約する

売り手の診療所が個人運営である場合には、基本的には、売り手の院長と不動産オーナーの契約が解消され、その後、最新化された賃貸条件で買い手が新規に契約を締結します。仲介した業者への手数料も発生します。

(3)名義変更が生じる

(2)のケースの例外として、売り手の診療所が個人運営である場合であっても、名義変更だけで賃貸借契約を継続できるパターンがあります。この場合、不動産オーナーから敷金・保証金が売り手の院長へ返還されるケースと、オーナーの希望で(手間を減らすために)買い手・売り手・オーナー間で返還請求権を移行する「3者間契約」を締結するケースがあります。

今回、ヤギ先生(売り手)は、知り合いの院長から(3)のパターンを聞き、自分の診療所もこのパターンが当てはまるものと思ってしまい、トラブルになりました。後継者候補の先生からすると(2)のパターンでは想定よりも多くの費用(礼金や仲介費)がかかるため、「ほかの案件を探す」という判断も出てきます。ヤギ先生が賃貸借契約書を十分に確認しておけば防げたはずのトラブルです。

売り手も買い手も、対象の診療所が(1)~(3)のどれに当たるのか、賃貸借契約書の内容を細かく確認する必要があります。契約書の内容は複雑な場合もあるので、医業承継コンサルタントなどに相談し、注意すべき特約事項がないかなども併せて確認することをお勧めします。

医業承継とは?

医業承継とは、診療所を開業するとき、既存の診療所の事業を引き継いで開業することです。

買い手からすると、施設や医療機器がそろっているため、開業に当たっての初期費用を数千万円単位で節約することができ、既存の患者さんの来院も見込めるため、経営が安定します。

売り手からすると、自院の施設や設備を無駄にすることなく、譲渡金を得ることができ、かつ患者さんを引き継げる安心感があります。

医業承継の大まかな流れは以下のとおりです。

医業承継の基本の流れと要する期間

ケアネット医業承継チーム

ケアネットでは2020年に医業承継チームが発足しました。業界経験の長い2人の女性メンバーと男性メンバー1人で構成。3人で合計100件超の成約実績があります。

ケアネットの医業承継事業の特長

ケアネットの会員医師23万人(2024年5月現在)の中から最適な候補者を紹介します。

これから開業したい医師や、すでに開業している理事長、いずれとの接点も豊富にあるため、希望の条件に沿った相手探しが可能です。

医業承継という業界の歴史は浅く、未経験のアドバイザーも多い業界ですが、ケアネットには業界経験5年以上のスタッフが複数在籍しています(全メンバーで計100件超の成約実績あり)。

事業者の中には、着手金や相談料が発生する場合もありますが、ケアネットの医業承継事業は成功報酬型で医業承継を支援します。

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