精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:405

双極性障害の再発予防に有効か?「Lam+Div療法」

双極性障害の治療では発現している躁症状やうつ症状を治療することだけでなく、予防することも重要である。現在わが国において「双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制」に適応を有する薬剤にラモトリギン(Lam)がある。Bowden氏らはLamとジバルプロエックス(バルプロ酸とバルプロ酸塩の1:1配合剤:Div)の併用が双極性障害のうつ病相予防に有用であるかを検討した。Acta Psychiatr Scand誌オンライン版2012年6月18日付報告。

成人トゥレット症候群に対するアリピプラゾール治療成績(100例報告)

トゥレット症候群は1,000~2,000人に1人の割合で発症する神経精神疾患である。小児期で発症し、チック症状の軽快と増悪を繰り返しながら慢性に経過する。原因は明らかになっていないものの、脳内神経伝達物質であるドパミンの過剰活動によると考えられている。そのため、トゥレット症候群の治療では抗精神病薬(適応外)を使用することも少なくない。Wenzel氏らは抗精神病薬アリピプラゾールがトゥレット症候群に対し、有用であるかを検討した。J Clin Psychopharmacol 誌オンライン版2012年6月19日付報告。

データバンクでアルツハイマー病の治療実態が明らかに―仏BNA調査―

急速に超高齢社会に突入したわが国において、認知症診療のスキルは専門医だけでなく、かかりつけ医にも求められるようになってきた。2011年に新規抗認知症薬が次々と承認され、今後の薬物療法に関して議論が行われている。Tifratene氏らはデータバンクを活用し、フランス国内のアルツハイマー病(AD)の薬物療法の現状とその治療がフランスのADガイドラインに準じているかを検討した。その結果、ADのデータバンクがADの診療や関連疾患診療に有益な情報をもたらすことを、Pharmacoepidemiol Drug Saf誌オンライン版2012年6月20日付にて報告した。

BDI-IIのカットオフ値で増加する青年期うつ病を早期発見

 近年、わが国におけるうつ病患者数は増加の一途をたどっている。とくに、青年期のうつ病が増えており、日本人の青年は諸外国と比較しうつ病になりやすいとも言われている。うつ病の評価尺度としてベック抑うつ評価尺度(BDI)が汎用されているが、青年期のうつ病の早期発見に有効かどうかは明らかになっていない。Pietsch氏らはBDI-Second Edition(BDI-II)やBDI -Fast Screen(BDI-FS)が青年期うつ病の早期発見に有効かどうかについて検討を行った。Psychother Psychosom Med Psycholオンライン版2012年6月21日付の報告。

東日本大震災から1年;新たな地域連携をめざして“第27回日本老年精神医学会”

2012年6月21、22の両日、埼玉県さいたま市にて、第27回日本老年精神医学会(大会長:埼玉医科大学総合医療センターメンタルクリニック 深津 亮氏)が開催された。本学会のテーマは「エイジズムを超えて希望ある高齢社会へ」である。昨年の東日本大震災では東北地方を中心に多くの方が犠牲者となり、なかには高齢者が多く含まれていた。急速な高齢化が進むわが国において、災害への対策について多くの課題が残されている。ここでは、本学会のプログラムから「東日本大震災から1年;新たな地域連携をめざして」と題して実施されたシンポジウムについて紹介する。

現在開発中の4週間型パリペリドン持続性注射剤の実力は?

リスペリドンの活性代謝物であるパリペリドン。現在、日本で使用可能なパリペリドンは徐放錠のみだが、海外では経口剤のほかに、パリペリドンパルミチン酸エステル(パリペリドン持効性注射剤)も使用可能であり、幅広い統合失調症患者に使用されている。Nussbaum氏らはこのパリペリドン持効性注射剤の臨床効果を評価し、Cochrane Database Syst Revオンライン版 2012年6月13日に報告した。

うつ病治療におけるNaSSA+SNRIの薬理学的メリット

抗うつ薬ミルタザピンはアドレナリンα2自己受容体とα2ヘテロ受容体に対し阻害作用を示し、ノルアドレナリン(NA)とセロトニン(5-HT)のモノアミントランスポーターを阻害することなく、NAおよび5-HTの神経伝達を増強する薬剤である。明治製菓薬品総合研究所の山内氏らはミルタザピンとSNRIの併用によるモノアミンの細胞外レベルへの影響を調査した。Neuropharmacology誌2012年6月号掲載。

認知機能への影響は抗精神病薬間で差があるか?

統合失調症治療において認知機能の改善・維持は重要であり、認知機能への作用を考慮した薬剤選択が求められている。産業医科大学の堀氏らは、日本人統合失調症患者の認知機能に対し、非定型抗精神病薬であるリスペリドン、オランザピン、アリピプラゾールの投与量および投与スケジュールが及ぼす影響を検討した。その結果、「アリピプラゾールでは投与量と認知機能との間に相関が認められない」として、J Psychiatr Res誌2012年6月号にて報告した。