統合失調症・双極性障害患者は「痛み」を抱えている 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/05/22 統合失調症および双極性障害患者では非がん性疼痛の発生頻度が高いことが、米国・退役軍人ヘルスケアシステムのDenis G. Birgenheir氏らによる断面調査の結果、明らかになった。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究により、重度の精神疾患患者において十分な疼痛治療の障壁となりうる要因を調べる必要がある。同時に、慢性疼痛が精神疾患からの回復に与える影響についても調べる必要がある」と提言している。General Hospital Psychiatry誌オンライン版2013年4月29日号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症および双極性障害の患者における非がん性慢性疼痛の発生状況を評価することを目的に、退役軍人健康管理局(VHA)システム登録者を対象とした断面調査を行った。VHA治療記録から2008年にVHAサービスを受けた個人診療データを抽出し、重度の精神疾患(統合失調症、双極性障害)と慢性疼痛(関節炎、腰痛、慢性疼痛、片頭痛、頭痛、精神・神経性障害)との関連について、ロジスティック回帰分析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症および双極性障害を有する退役軍人は、有さない退役軍人と比べて、全体的に慢性疼痛を有する傾向が有意に高かった。オッズ比は、統合失調症を有する退役軍人が1.21、双極性障害を有する退役軍人が2.17であった。 ・上記の関連は、同一サンプルにおける、うつ病と疼痛の関連(オッズ比:2.61)よりもわずかであるが低かった。 ・特異的精神疾患との関連が最も強かった疼痛症状は、慢性疼痛、頭痛、心因性疼痛であった。 関連医療ニュース ・検証!「痛み」と「うつ」関係は?:山口大学 ・「片頭痛の慢性化」と「うつ」の関係 ・慢性腰痛患者におけるオピオイド療法の効果はうつや不安に影響される (ケアネット) 原著論文はこちら Birgenheir DG et al. Gen Hosp Psychiatry. 2013 Apr 29. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 切除可能なdMMR大腸がん、ニボルマブ+イピリムマブ術前補助療法が有用/NEJM(2024/06/14) リウマチ性心疾患、低中所得国で死亡率が高い/JAMA(2024/06/14) aggressive ATLに対する同種造血幹細胞移植の有効性(JCOG0907)/ASCO2024(2024/06/14) 年収額に満足している診療科は?/医師1,000人アンケート(2024/06/14) イメグリミンのRWD、体重減少や肝機能改善も/日本糖尿病学会(2024/06/14) 精神病性うつ病の維持療法に対する抗うつ薬や抗精神病薬治療の実際の有効性(2024/06/14) 高リスク早期TN乳がんに術後アベルマブ1年投与でOS改善、DFSは改善せず(A-BRAVE)/ASCO2024(2024/06/14) 遠隔医療のビデオ通話では医師の「背景」が重要(2024/06/14)