コーヒー・緑茶で貯蔵鉄が減少、閉経後女性は多飲に注意?~J-MICC佐賀地区研究
コーヒーや緑茶の摂取は、腸において鉄の吸収を阻害することにより、体内の貯蔵鉄の量を減少させると考えられている。貯蔵鉄が過剰となると酸化ストレスが増加し、心血管疾患やがんの発症リスクとなるため、コーヒーや緑茶の摂取がこれらのリスクを低下させる可能性が指摘されている。しかし、過剰摂取は鉄欠乏を招く可能性もある。そこで、南里 妃名子氏(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所)らの研究グループは、日本多施設共同コホート研究(J-MICC Study)佐賀地区の調査に参加した1万435人を対象として、コーヒー、緑茶の摂取量と血清フェリチン値との関係を検討した。その結果、男性および閉経後女性では、コーヒー、緑茶はいずれも摂取量が多いほど血清フェリチン値が低かった。閉経前女性では、緑茶の摂取量のみに同様の関連が認められた。また、閉経後女性において、コーヒーを1日3杯以上飲む人は飲まない人と比べて、鉄欠乏が多くみられた。本研究結果は、Frontiers in Nutrition誌2023年8月10日号に掲載された。