心房中隔欠損に対する閉鎖栓、生体吸収性vs.金属製/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2025/11/13

 

 経皮的心房中隔欠損(ASD)閉鎖術に用いる閉鎖栓について、生体吸収性閉鎖栓は金属製閉鎖栓に対して非劣性であり、2年でほぼ完全に分解されたことが、中国・Chinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical CollegeのWenbin Ouyang氏らによる多施設共同非盲検非劣性無作為化試験の結果で示された。ASD閉鎖術に使用される永久的な金属製閉鎖栓は、晩期合併症のリスクと関連しており、左房へのアクセスの妨げとなる。生体吸収性閉鎖栓は、これらの課題に対処できる可能性を有しているが、これまで無作為化試験での検証は行われていなかった。JAMA誌オンライン版2025年10月23日号掲載の報告。

中国の10病院で非劣性を評価

 研究グループは、経皮的ASD閉鎖術における有効性と安全性を基に、生体吸収性閉鎖栓は金属製閉鎖栓に対し非劣性であるかどうかを評価した。2021年5月8日~2022年8月3日に中国の10病院で被験者(二次孔型ASD)が登録され、経皮的ASD閉鎖術に生体吸収性閉鎖栓を用いる群または金属製閉鎖栓を用いる群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。

 主要アウトカムは、6ヵ月時点におけるASD閉鎖成功率。閉鎖成功は、残存シャント径2mm以下の手技成功と定義し、経胸壁心エコーで評価した。また、2年の追跡調査時点で、両群のASD閉鎖成功率およびデバイス関連有害事象を比較し、生体吸収性閉鎖栓の分解プロファイルを評価した。2年の追跡調査期間は2024年9月に終了した。

生体吸収性閉鎖栓の非劣性を確認、2年時点の分解率は約99.8%

 230例が無作為化された(生体吸収性閉鎖栓群116例、金属製閉鎖栓群114例)。このうち生体吸収性閉鎖栓群の1例は大腿静脈径が小さく、229例(年齢中央値:14.1歳[四分位範囲:7.0~37.3]、女性68%)に留置が試みられた。

 6ヵ月時点のASD閉鎖成功率は、生体吸収性閉鎖栓群96.5%(111/115例)、金属製閉鎖栓群97.4%(111/114例)であった(群間差:-0.8%ポイント、95%信頼区間:-5.0~3.7、非劣性のp<0.001)。

 2年時点のASD閉鎖成功率(生体吸収性閉鎖栓群94.8%[109/115例]vs.金属製閉鎖栓群96.5%[110/114例]、p=0.75)、デバイス関連有害事象(2.6%[3/115例]vs.3.5%[4/114例]、p=0.72)について、両群間で統計学的に有意な差はみられなかった。

 2年時点の生体吸収性閉鎖栓の分解率は約99.8%であった。

(ケアネット)