超加工食品摂取が多い男性、大腸がんリスク3割増/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2022/09/22

 

 ソーセージやインスタント麺といった超加工食品の摂取量が多い男性は、大腸がんリスクが高く、女性では超加工食品摂取量と同リスクの関連はなかったが、調理済み/加熱した混合料理の摂取量が多いと、大腸がんリスクが高いといった関連が、米国・タフツ大学のLu Wang氏らによる検討で示された。BMJ誌2022年8月31日号掲載の報告。

医療従事者追跡調査と看護師健康調査の参加者を追跡

 研究グループは、米国の医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study、1986~2014年)に参加した男性4万6,341人、看護師健康調査(Nurses' Health Study I[1986~2014年]6万7,425人、II[1991~2015年]9万2,482人)に参加した女性15万9,907人の3つの前向きコホートから、食事摂取量の記録があり、ベースラインでがんの診断を受けていなかった参加者を対象に、超加工食品の摂取と大腸がんリスクとの関連を調べた。

 超加工食品の例としては、炭酸飲料、ソーセージ、ビスケット、キャンディー、インスタントスープ/麺、甘味/塩味スナック菓子、加糖牛乳およびフルーツ飲料などが含まれた。

 超加工食品摂取と大腸がんリスクについて、潜在的交絡因子を補正し、時変共変量Cox比例ハザード回帰モデルを用いて推定した。

女性は乳製品ベースのデザート摂取量多いと、大腸がんリスクは減少

 追跡期間24~28年間で、大腸がん3,216例(男性1,294例、女性1,922例)が報告された。

 男性では、超加工食品摂取量の最高五分位範囲群が最低五分位範囲群と比べ、大腸がんリスクが29%高かった(ハザード比[HR]:1.29、95%信頼区間[CI]:1.08~1.53、傾向のp=0.01)。こうしたリスク増大の関連性は、遠位大腸がんでのみ認められた(HR:1.72、95%CI:1.24~2.37、傾向のp<0.001)。さらに、BMIや食事の栄養面の質指標(西洋の食事パターンまたは食事の質スコア)で補正後も、関連性は有意なままだった。

 一方で女性については、超加工食品摂取量と大腸がんリスクとの関連は認められなかった。

 サブグループ解析では、男性は肉/鶏肉/魚介類ベースの調理済み食品(最高五分位範囲群の最低五分位範囲群に対するHR:1.44、95%CI:1.20~1.73、傾向のp<0.001)や加糖飲料(1.21、1.01~1.44、傾向のp=0.013)、女性は調理済み/加熱した混合料理(1.17、1.01~1.36、傾向のp=0.02)の摂取量が多いほど、大腸がんリスク増大との関連が認められた。

 女性では、ヨーグルトや乳製品ベースのデザートの摂取量が多いほど、大腸がんリスクが低いことも認められた(HR:0.83、95%CI:0.71~0.97、傾向のp=0.002)。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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コメンテーター : 島田 俊夫( しまだ としお ) 氏

地方独立行政法人静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 リサーチサポートセンター センター長

J-CLEAR評議員