オミクロン株へのブースター接種、入院・死亡への有効性は?/NEJM

提供元:ケアネット

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公開日:2022/03/17

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチンのブースター接種は、症候性デルタ変異株感染には高い有効性を示したが、症候性オミクロン変異株感染への有効性は低いことが、カタール・Weill Cornell Medicine-QatarのLaith J. Abu-Raddad氏らが同国で行ったコホート試験で示された。ただしいずれの変異株においても、mRNAワクチンのブースター接種が、COVID-19関連の入院および死亡に対する高い保護効果をもたらすことが示されたという。NEJM誌オンライン版2022年3月9日号掲載の報告。

オミクロン変異株大流行中にブースター接種者 vs.非ブースター接種者

 研究グループは、2021年12月19日~2022年1月26日のオミクロン株が大流行していた期間中に、症候性SARS-CoV-2感染およびCOVID-19に関連した入院および死亡に対するワクチンブースター接種群と2回のプライマリ接種群を比較する、2つのマッチド後ろ向きコホート試験を実施した。

 ブースター接種と感染の関連性を、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて算出・評価した。

 対象集団には、「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)または「mRNA-1273」(Moderna製)を2回以上接種した223万9,193例(BNT162b2群129万9,010例、mRNA-1273群89万619例)が含まれた。BNT162b2群において、適格コホート群(ブースター群22万922例、非ブースター群114万168例)とマッチドコホート群(マッチドブースター群18万9,483例、マッチド非ブースター群18万9,483例)を比較、mRNA-1273群において適格コホート群(ブースター群6万7,176例、非ブースター群78万1,968例)とマッチドコホート群(マッチドブースター群6万6,191例、マッチド非ブースター群6万6,191例)を比較した。

BNT162b2ブースター、オミクロン変異株の入院・死亡への有効性76.5%

 BNT162b2群において、追跡期間35日後の症候性オミクロン変異株感染の累積発生率は、ブースター群2.4%(95%信頼区間[CI]:2.3~2.5)、非ブースター群4.5%(4.3~4.6)だった。症候性オミクロン変異株感染に関する同ブースター接種の有効性は、プライマリ接種群との比較で49.4%(95%CI:47.1~51.6)だったが、COVID-19関連の入院・死亡に関する有効性は同76.5%(55.9~87.5)だった。

 なお、デルタ変異株(またはB.1.617.2)の症候性感染に関するBNT162b2ブースター接種の有効性は、プライマリ接種群との比較で86.1%(95%CI:67.3~94.1)だった。

 一方、mRNA-1273群においては、追跡期間35日後の症候性オミクロン変異株感染の累積発生率は、ブースター群1.0%(95%CI:0.9~1.2)、非ブースター群1.9%(1.8~2.1)だった。症候性オミクロン変異株感染に関する同ブースター接種の有効性は、プライマリ接種群との比較で47.3%(95%CI:40.7~53.3)だった。また、mRNA-1273群においては、COVID-19の重症例はほとんど認められなかった。

(医療ジャーナリスト 當麻 あづさ)

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